ARAKB53物語第3章 (ページ10)

今日:3 hit、昨日:17 hit、合計:19,068 hit

30日目「大きな決断」ページ10

麻友「二宮さん、隣いいですか？」

二宮「ん？全然いいよ」

麻友「失礼します」

二宮の隣に座った彼女の表情はどこか強張っていた。

あまりの緊張ぶりに思わず二宮は心配する。

二宮「どうしたの？そんなガチガチになって」

麻友「えっ、いや！そんな事は･･･」

すると突然大野が話しかけてきた。

大野「ニノ～」

二宮「あ、ちょっと大野さん。いま私、まゆゆと喋ってるから、ねぇ？」

大野「怖えよぉ」

櫻井「ハハハハ、何やってんの？」

大野「あ、翔ちゃん、DVDどこ？」

櫻井「何の？」

大野「あれ見たい、あの、ホラ･･･。なんだっけ？」

優子「何のDVDですか？」

大野「あれだよ、ホラ･･･、“黄色い涙”見たい」

櫻井「ああ、あるかな？」

松本「あったと思うよ」

気付くと皆、部屋から出ていき

二宮と麻友だけが取り残された。

二宮「珍しいな、リーダーからあれ見たいとか言い出すの」

麻友「そうなんですか？」

二宮「うん、普段はボーっとしてるか、ボーっとしてるかだもん」

麻友「ボーっとしてばっかじゃないですか(笑)」

二宮「あ、やっと笑った」

麻友「へっ？あ、ゴメンなさい！」

二宮「ウフフ、謝んなくて良いよ。

　まゆゆの笑った顔、俺、結構好きだよ？」

麻友「･･･」

二宮「あ、ヤッベ。また固まっちゃった」

そのとき、彼女の中で何かがドクンと動いた気がした。

麻友「あ、あの･･･、二宮さん･･･」

二宮「ん？何？」

麻友「あ、あの･･･」

二宮「うん」

口はパクパク動くだけで、肝心な言葉が出てこない。

あと一歩の勇気が欲しかった。

二宮「大丈夫？顔真っ赤だけど」

そう言って彼が麻友の肩に手を置いた瞬間、ついにその言葉は

口から飛び出て行った。

麻友「大好きです！」

つづく･･･。