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安室side
手を弾かれた時、何をされたのかしばらくわからなかった。
蘭さんの前だし、とりあえず、少しだけでも機嫌を直してくれたらいいな。
ただの機嫌取りだけど、少しでもって、そう思ってとった行動だったのに。
『……結構好きだよ、撫でられるの』
そう言っていたから。
「……雫?」
なのにどうして、拒絶するんだ……?
雫は、僕を、軽蔑したような目で見た。
「同じ扱いしないで」
雫の声は、悲しんでいた。
……見ていたのか。
「……悪い」
言い訳するにも、もっと雫に嫌われるかもしれないと思うと、言えなくて。
謝るしか、思いつかなくて。
雫は、俯いて、何も言わなかった。
「安室さん、仕事が終わるまで、うちで雫ちゃんとお話してもいいですか?」
「蘭、さん……」
「雫ちゃん、私とちょっとお話しよっか」
「……はい」
蘭さんが優しく問いかけると、雫は素直に頷いた。
「……手、叩いてごめんなさい」
それだけ、小さく呟いて、雫は先に毛利探偵事務所に走って行った。
残った蘭さんは僕に笑いかけた。
「雫ちゃんのことは任せてください。うちで一緒にご飯も食べますから」
「いや、そこまでは……」
「お父さんがいつもお世話になってますし、これくらいさせてください。コナンくんも帰ってきますから。それに、……雫ちゃんも女の子だから、女同士の方が話しやすいこともあるかもしれないので」
蘭さんは、本当に心優しい人だ。
コナンくんが惚れてるのもわかる気がするよ。
今は、任せた方がいいかもしれない。
「わかりました。雫のこと、お願いします」
「はい!」
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時雨(プロフ) - まことさん» ご意見ありがとうございます。読み始めてもらえて嬉しいです!参考にさせていただきます。 (2019年10月18日 7時) (レス) id: c6320779fa (このIDを非表示/違反報告)
まこと(プロフ) - 3でお願いします 新たに読み始めたので続きが気になります (2019年10月16日 17時) (レス) id: 9abb2adce4 (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - ☆三日月☆さん» ご意見ありがとうございます。何年でもなんて嬉しすぎます!参考にさせていただきます。 (2019年10月15日 19時) (レス) id: c6320779fa (このIDを非表示/違反報告)
☆三日月☆(プロフ) - 何年なっても待ち続けるので3でお願いします! (2019年10月14日 16時) (レス) id: 0e61e2fc0f (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - あーちゃんさん» ご意見ありがとうございます。面白いストーリーや、もったいないなど、すごく嬉しいです!参考にさせていただきます。 (2019年10月8日 12時) (レス) id: c6320779fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:時雨 | 作成日時:2019年7月15日 13時