安室さんの親戚になりました。4

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Aside

色んな場所へ連れていかれ、色んな仕事をした。

その間、家族には会えなかった。

だけど、別れる時に父さんが言ってたんだ。


『いいか、A。お前が頑張って、この人たちの言うことを聞いてくれたら、家族みんな、幸せに暮らせるんだ。頑張れよ』


みんなが幸せに暮らすために。

だから、私が頑張ったら、父さんだけじゃなくて母さんや兄ちゃんも、笑ってくれると信じた。


たくさんの人を殺して、色んな研究のお手伝いをした。


気がつけば私は、普通に育てば高校に通うような年になっていた。

そんな時だ。


『あなたね、暗殺を得意としてる子って』

『はい！』

『いいお返事ね。お名前は？』

『AAです。あなたは？』

『……ベルモット』



彼女に出会ったのは。

彼女の命令に従って、仕事をこなすうち、気に入ってもらえたようで、私にはもうひとつの名前、“サングリア”がついた。



『ねえ、ベルモット。サングリアってどんなお酒？』

『……ワインにフルーツやスパイスを漬け込んだカクテルよ。甘くフルーティーになることで飲みやすいと言われるわね』

『へえ…』

『ちなみに、名前の由来は、スペイン語で血や出血を表す言葉。……まだまだ子供のくせに、手を血に染めているあなたにピッタリのコードネームだわ』



この頃、私はまだわかっていなかった。

このベルモットの言葉が、私の人生の重さを物語っていたのに。

私はただ平然と、日常会話として、このベルモットの言葉を受け流していた。

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