安室さんの親戚になりました。2

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朝起きると、降谷さんがリビングの椅子に座っていた。座ったまま、動かない。


「おはよう、ふる…透くん」

「雫、おはよう」


何か考えているらしい。

話しかけない方がいいか。



私はそっと朝の用意をして、朝食を取って、学校に行く準備をする。


ご飯は一緒に食べたけど、何も話さなかった。


今日の組織の仕事は、それほどまでに危険なのかな。




ただ静かなだけじゃない。

私も警戒してしまう程に、殺気とも言える鋭く冷たいものが彼の周りを漂っている。


早く1人にした方がいいかも。


私は少し早いけれど、家を出ることにした。

また寄り道を沢山して学校に行こう。



「透くん、行ってくるね」

「もう出るのか？」

「うん。…頑張ってね」

「ああ。行ってらっしゃい、A」

「え…？」




本名？

驚いているうちに、透くんはまた私の頭を撫でる。

今はもう、誰が見てもわかる。

……笑ってない。

見ているこっちが泣きそうになる。



「そんな顔しないでよ…、…行ってきます」



透くんの手を振りほどいて、ドアを勢いよく開けて飛び出す。


苦しい。悲しい。

やめてよ。なんなの？この感じ。


ーーー
降谷side


結局ほとんど睡眠は取れなかったが、とりあえずの策は練った。

後は相手がどう出るか……。



失敗は許されない。

それはわかっている。しかし、もしも、万が一のことがあれば……。


こんなこと、普段考えたりしないのに。


馬鹿なことを考えてしまったからか、雫のことを本当の名で呼んでしまうし、変な顔をしてしまうし、朝から失態ばかりだ。



落ち着け。

深呼吸をしろ。

大丈夫。




「必ず、守ってみせるよ」

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