26話 ページ28
僕の言葉に驚いた様子で、兵長は目を少しだけ見開く。そしてまた目を細めると頭に触れてくれた。優しいその手が、前髪を横に流す。視界が少しだけ開けて、太陽の光が眩しく感じた。
じっと鋭い眼差しで見詰められる。
少し灰色がかった碧眼に吸い込まれそうになって、また彼は何を考えてるのだろうか、知りたくて、知りたくて
思わず、
「今、何を考えてます？」
と聞いてしまう。
こんな質問、誰にもした事がない。
だって、他人の気持ちなんか知ったことではなかった、なんとなく言動から読み取れるだけで十分だと思ってた。
でも、この人だけは、リヴァイ兵長だけは、分からなくて、読めなくて、知りたくて。こんなに他人を理解したいと思ったことはない。
「触れたいと思ってる、お前に」
まさかの返答に一瞬頭が停止した。でも返事を返さねばとフル回転させる。
なに？触れたい？僕に？
この人はどういうつもりでそんな事を言うのだろう。
風が強く吹いて、木々が擦れる音がざわざわとする。
彼の真っ黒な髪の毛も、風になびかれて揺れていた。
なびく前髪を抑えていた手が頬へと伸びる。
そしてそこに自分の手を上から被せた。実際に触れると彼の手は思っていたよりも大きく、ゴツゴツしている。
もう片方の手も僕の頬に添えられて、両手で包むように触れられる。なんだか恥ずかしくて、顔を引いてしまう。でもそれを許さないと言わんばかりに引き上げられて、真っ直ぐと彼と向かい合った。
近い、あまりにも、近い。
あの日、執務室での事を思い出してしまう。
夕焼けに染まる彼を思い出す。
どくん、どくんと心臓が脈を打つ。
なんと呼ぶべきなのか分からない感情が胸の中を蠢いている。
「目を閉じろ」
彼のまるで独り言のような呟きに、一層大きく激しく身体中の血液が駆け巡った。
なんで、
どうして、
何でこんなにも緊張してしまうのか。
この先、彼が何をするのか、頭の中にある答えが、正解であったら。
こんなにも動揺してしまうのは、なんで？
視界がゆらゆらと揺れる。
分からない事が多い、だから知りたくなる、この人に限って。
震える瞼を、ゆっくりと閉じた。
ふっ、と彼が息を吐く音が聞こえた。太陽の明るさで、目を閉じていても赤みがかった何かが広がっている。
”何か”が近付く気配がした。
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やし野(プロフ) - Levi〜*Hina*〜さん» コメントありがとうございます〜(´∇｀)もしかしたら暫くこの関係性が続くかも知れませんね(^-^; コツコツ更新していきたいと思うのでのんびり付き合ってやってください<(_ _)> (2018年3月31日 11時) (
レス) id: 9388de82eb (このIDを非表示/違反報告)
Levi〜*Hina*〜 - 更新停止気味(?)だったので心配してましたが、復活してよかったです！夢主くんと兵長との関係がモヤモヤする…>д< 続き楽しみに待ってます！頑張ってください^^ (2018年3月31日 2時) (レス) id: a4d7dc62f2 (このIDを非表示/違反報告)
tamanyan3291(プロフ) - この作品、とても面白かったので続編、待ちます！いつかモチベーションが上がることを期待して…… (2018年1月3日 2時) (レス) id: 57c704e0b9 (このIDを非表示/違反報告)
kagaminerenwaka(プロフ) - リヴァイさんや他の方との絡み、オリジナルの仲間達とどうなるか、楽しみにしながらモチベが上がるのを心待ちにしております。身体に気を付けて…。 (2017年12月27日 12時) (レス) id: 232289749e (このIDを非表示/違反報告)
高杉哉兎(プロフ) - この作品面白いのに残念です、いつか戻ってきてくれることを待っています (2017年12月27日 11時) (レス) id: 99d8ddd66b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やし野 | 作成日時：2017年12月26日 21時
