26話 ページ26
晴れやかな空から太陽の光がほどよく地上に差し込んでいる。風も肌と髪の毛をそよそよ撫で、とても過ごしやすい。
Aはウォール・マリアの都心に向かうべく、最後になるであろう3年間の相棒である愛馬に乗って道を進んでいた。
訪れる理由として一つは上官から訓練兵の正式兵科志願書と今期使われていた訓練所についての書類を憲兵団本部へ届けろとの命令があった。
二つ目は、先日リヴァイから借りたハンカチを本人に返すためである。
30分ほど馬を走らせた。
都心に近付くにつれ、建物や人が多くなる。
区で指定された馬小屋に愛馬を預けた。
その周りには広々とした草原と、巨大樹とまではいかないが、大きな大木が沢山生えていた。
恐らく立体機動を練習する訓練所だ。
上官に渡された地図を見ながら道を進む。ちょうどその途中に調査兵団本部があった。建物の殆どが煉瓦で出来ており、周りの建物とは雰囲気が違う。
書類を憲兵に渡してからリヴァイにハンカチを返そうと思い、Aは調査兵団本部を通り過ぎる。
15分ほど歩くと、憲兵団本部の建物が見えてくる。調査兵団や駐屯兵団よりも立派な建物だ。
門番に所属兵科と目的を伝え、門をくぐる。
女性憲兵に情報管理室の場所を訊ねた。女性兵士は私がその職員だと言うと、その場でそれらを受け取ってくれた。引き取り証明書にサインを貰う。
(優しい人でよかった、ここの人達はなんだかピリピリしてて空気が重い…)
Aは一礼をしてその場を離れる。
自分がいた訓練所とは打って変わった立派な置物や、清潔な空間に思わず当たりをキョロキョロと見てしまう。
「ミィシェーレ訓練兵？」
あれやこれやと見物してたら突然名前を呼ばれる。
誰だろうと振り返ると、一人の中年憲兵が立っていた。
「大きくなったな」
Aにはこの憲兵に見覚えがあった。
紛れもない、Aをお母様から引き離した、あの日自分に銃口を向けていた憲兵だ。最後に会ったのは孤児院に預けられた日だ、今から6年ほど前になる。
ぐらりと脳みそが揺れる錯覚にかられた。
息を吸うのも苦労する。お母様を連れていった彼に、Aは良い印象などない。
しかし、自分の立場と相手の立場を考え、形だけでもと右腕拳を自分の心臓に掲げる。
「…お久しぶりです」
「ふむ、ちょうど良かった、ミィシェーレ訓練兵これから何か用事は？少し話がある」
「…いえ、何も」
本当はリヴァイにハンカチを返すという用事があったが、何となく嘘をついた。
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塩キャラメル(プロフ) - やし野さん» すみません！全然大丈夫です！! (2019年2月19日 22時) (
レス) id: 1b9a60cb94 (このIDを非表示/違反報告)
やし野(プロフ) - 塩キャラメルさん» その場のニュアンスで読んでいただけたら幸いです。無計画故の矛盾点が生じてしまい、申し訳ありません。詳しくは『Full 3』のお知らせにて記載しておりますので、宜しくお願いします。 (2019年2月12日 1時) (レス) id: da4ca0ab74 (このIDを非表示/違反報告)
やし野(プロフ) - 塩キャラメルさん» 感想、ご指摘頂き感謝します、修正させて頂きました。本作品は制作途中で年代設定を変更しておりますので、正しくは100期卒業になります。また年代変更により今後も年齢、登場人物等の矛盾が複数発生していますが→ (2019年2月12日 1時) (レス) id: da4ca0ab74 (このIDを非表示/違反報告)
塩キャラメル(プロフ) - 初めまして〜！とっても面白いです！何と言っても設定が凄く好みです！!こんな僕がご指摘と言ってはあれなんですが、訓練兵解散式の時、第100期?かな。。次の時に102期になってなせんか？ (2019年2月12日 0時) (レス) id: 1b9a60cb94 (このIDを非表示/違反報告)
やし野(プロフ) - ののさん» 初めまして！ののさんコメントありがとうございます。嬉しいお言葉までいただけてとても感激です…！！続編の方も何卒よろしくお願いします(*^_^*) (2017年12月24日 10時) (レス) id: f0cd2ef672 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やし野 | 作成日時：2017年12月17日 13時
