幼なじみたちの恋を応援したいと思う。【アオのハコ】

▽　先輩 ページ13

＊




『先輩…！』


私は家に帰れないことを伝える。


もちろん私が鍵を忘れて、親が帰ってくるのが１２時、と言うことにしておいた。


「え、じゃあまだ家に戻れてねぇの？飯食ってないのか？」


針生先輩の問いに私は頷く。
制服のままでよかった…。


「A、金持ってる？」


今度は西田先輩がそう聞いた


『…２円だけです。』


「２円!?」と先輩たちは驚く。


香水も口紅も高いんだから仕方ないじゃん。


「ちょうど俺たち一緒に飯食おうとしてたからAの分も奢ってやるよ。」


思ってもみなかった提案に私は、
『私は大丈夫ですよ！そんなの申し訳ないです！』と断る。

先輩のお金でご飯なんてとてもじゃないけど食べれない。


「ん、じゃあこの大雨の中何も食べずに１人で雨宿りすんの？」


針生先輩は意地悪な顔でそう言う。


確かに家に帰ってもご飯が食べられる保証はないし、1人でいるより先輩たちといる方が暗闇の中でも怖くない。


「西田、こいつ飯食わなくても大丈夫だって。もうそこだし、ファミレス行こうぜ」


針生先輩、ドS過ぎませんか…!?


『うっ……、1人は怖いのでイヤです…！』


西田先輩はニッコリ笑って私と針生先輩の肩を抱く


「よーし、行くぞ！」


私は申し訳ない気持ちと、１人じゃないという安心感でいっぱいになった



.



「なぁ、流れで肩抱いちゃったけどセクハラとかで訴えられないよな？」

「さあ」

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