右も左も分からぬまま ページ3
黒縁メガネの青年が、教室の後方に椅子を並べて円を作っていた。「話し合いの場が必要かと思いまして」と青年は言い、どうぞ、十一脚の生徒用の椅子を指す。
「えっと……恐らく皆さん、状況が分からなくて混乱していますよね」
「……お前はどういう状況か知ってんのか？」
水色がかった銀髪の男子が、青年の発言に、怪訝そうに訊き返した。黒い瞳で鋭く睨みつけられ、「いえ……俺も全く」と青年は肩をすくめる。
「だけど……このままじゃ何も始まらないと思うので、とりあえず、どうにかしようと……」
「何度やっても駄目だねェ。このドア、びくともしないよ」
先程から教室のドアを開けようとしていた、白衣を着た銀髪の女性が、やれやれと首を振り、ドアから手を離す。
「……っていう事は、ここから出られないんですか……」
さっき裕也と話したピンクのツインテールの少女が、泣きそうになりながら顔を上げて訊ねた。「うん、おチビさんには悲しいけど、そういう事だろうねェ」と、白衣の女性は対象的に落ち着いた様子で返す。
「出られないって事は、私達は誰かに閉じ込められたって事……？」
先程、裕也を起こしてくれた白髪の少女が呟いた言葉で、教室中がしんと静まり返った。
しばしの沈黙を破ったのは、「はーい」という、少し高めの少年の声。
「僕、自己紹介したらええと思うんやけど、どうかな？」
綺麗な金髪の少年の台詞に、「そうだね、そうしましょう」と黒縁メガネの青年が同意した。
「じゃあ、俺から右回りで良いですか？」
「は？ 何でお前が仕切ってるんだよ……」
さっきと同じように突っかかられ、「あ、なら、譲りますが……」と気を遣おうとした青年だが、銀髪の男子は舌打ちをしただけで視線をそらしてしまった。
「えっと……俺は、
どことなく気まずい雰囲気のまま、黒縁メガネの青年が最初に自己紹介をする。
「どうして春なのにマフラーをしてるのにゃ？」
「あぁ、これはちょっと……寒がりでして」
自己紹介を提案したお団子ヘアの少女に訊かれ、吉良は曖昧に笑った。
「ここへ来る前の記憶なんだけど……少し分からない所があるので、皆さんが名乗り終わってから話し合ってみる事にしましょう。……じゃあ、次は貴方がしてくれますか？」
「はーいにゃ！」
ピンクのお団子ヘアの少女は、ぴょこんとお辞儀をした。
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占いウサギ - くろーさぎさん» ありがとうございます！ (2019年12月6日 15時) (
レス) id: 81ed388108 (このIDを非表示/違反報告)
くろーさぎ(プロフ) - 占いウサギさん» 確認しました！お気に入り登録しておきますので、話が進み次第、アドバイス等させて頂きますね！ (2019年12月6日 7時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
占いウサギ - くろーさぎさん» 棺桶ゲームです！まだ本当に書き始めたばかりです。(プロローグと一話くらいしか書いてない……) (2019年12月6日 6時) (レス) id: 81ed388108 (このIDを非表示/違反報告)
くろーさぎ(プロフ) - 占いウサギさん» ありがとうございます！！デスゲーム系は大好きなので、ぜひ私で良ければ！！作品名を教えて頂けますかね？ (2019年12月5日 19時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
占いウサギ - 読ませていただきました。とても面白かったです！実は私もデスゲームの小説を書いていまして……(書き始めたばかりなのですが)是非見て頂いて、アドバイスがほしいです。わがまま承知です、すみません！ (2019年12月5日 18時) (レス) id: 81ed388108 (このIDを非表示/違反報告)
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