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目覚め ページ2

どれくらいの間、気を失っていたのだろう。

記憶に残るのは、何かを叫ぶような翔の声。

そして、こちらを見つめる奇怪な――。

「……ねぇ……」

見知らぬ声と共に身体を揺さぶられ、裕也はゆっくりと目を開いた。

「ん……? ……っわ!?」

目の前に綺麗な女の子の顔立ちがあり、反射的に飛び起きた裕也。
裕也と同い年くらいか、白髪のロングヘアの少女は、裕也を見て「大丈夫?」と訊ねる。

「う、うん……ち、ちょっと頭痛がするけど……えっと、君は?」

少女は黙って目をそらす。その視線を辿って辺りを見渡すと、そこは何故か見知らぬ教室だった。
裕也が登校するはずだった高校より年季が入っており、もう十年以上も使われていないような古い教室だ。
黒板の前に教卓があり、生徒達の机と椅子が並ぶ様子に違和感は少ないものの、不思議なのは教室のあちこちに、裕也を含む十人ほどの人物がいる事だ。
床に座り込んで戸惑っている者もいれば、冷静に状況を把握しようとしている者もいる。どういう事なんだ、と裕也が困惑していると、突然、背後から聞き慣れた声がした。

「裕也……!!」
「っ、翔!?」

涙目の翔に飛びつかれ「良かった、裕也も目覚めたんだ……!」と言われて、裕也は翔やこの少女も状況を理解できていないのだと知った。

「う、うん……翔。分からないと思うんだけど、ここはどこなのかな……?」
「僕に訊かれても分かるわけないよ……覚えてるのは学校へ行く途中、道の向こうに変な“何か”を見た事で……そこから先の記憶がないんだ……」
「うん……僕も、それしか覚えてないな。というか、その“何か”って――」


「おい!! 裕也か!?」と、背後から、今度は別の聞き慣れた声がした。

「その声は、まさか……琢磨!?」
「裕也……お前もいるなんて、どういう事だ!? お前らも学校に行く時に攫われたのか!?」
「う、うん……琢磨もなんて。でも、この中には大人の人もいるし、高校生だけを攫ったわけじゃなさそうだね……」

攫った、という言葉に、近くでずっと座り込んでいたツインテールの少女が、ビクッと怯えてこちらを見た。

「あ……ごめん、不安になるような事を……」
「……いえ」

裕也は反射的に謝ったが、少女は首を横に振っただけで、うつむいてしまった。

「……えっと、皆さん」

考え事をしていたらしい青年が立ち上がり、ゆっくりと口を開いた。

「とりあえず状況が状況なので……ひとまず俺の意見を聞いてもらえますか――」

右も左も分からぬまま→←―序章― 始まりの朝



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設定タグ:派生作品 , デスゲーム , 時ノ学園ト罪ノ遊戯   
作品ジャンル:ホラー, オリジナル作品
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占いウサギ - くろーさぎさん» ありがとうございます! (2019年12月6日 15時) (レス) id: 81ed388108 (このIDを非表示/違反報告)
くろーさぎ(プロフ) - 占いウサギさん» 確認しました!お気に入り登録しておきますので、話が進み次第、アドバイス等させて頂きますね! (2019年12月6日 7時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
占いウサギ - くろーさぎさん» 棺桶ゲームです!まだ本当に書き始めたばかりです。(プロローグと一話くらいしか書いてない……) (2019年12月6日 6時) (レス) id: 81ed388108 (このIDを非表示/違反報告)
くろーさぎ(プロフ) - 占いウサギさん» ありがとうございます!!デスゲーム系は大好きなので、ぜひ私で良ければ!!作品名を教えて頂けますかね? (2019年12月5日 19時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
占いウサギ - 読ませていただきました。とても面白かったです!実は私もデスゲームの小説を書いていまして……(書き始めたばかりなのですが)是非見て頂いて、アドバイスがほしいです。わがまま承知です、すみません! (2019年12月5日 18時) (レス) id: 81ed388108 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:時ノ遊戯ノ主催者 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年11月24日 19時

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