【あんさんぶるスターズ】viola e tulipano 〜third〜

storia5-13 〃 ページ14

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「そういえばさ、どうして皆バンド始めたの？」



休憩時間。



ふと気になって皆に聞いてみた。




「んー……、歌うのが好きだから、かな。」



「え、それじゃ歌だけじゃだめなの？」



ほらトリスタみたいにさ。



「あ、そっか。Aってプルーマ来たばっかなんだっけ。



この国の音楽祭はね、『音楽全て』を自分達で作って発表なきゃいけないんだ。



勿論録音もＮＧ。



音楽全てを一発勝負で魅せなくちゃいけない。」



……ふーん。



ま、確かにその考え方も一理ある。



でも、



それじゃあ『個性』を潰してしまっている気がする。



楽器が得意な人もいれば、歌が得意な人もいる。



勿論両方兼ね備えていればこの上なく良いんだけど、そんな人は本当に少数だ。



「……個性、か……。」



私には、どんな個性があるのだろう。



女の子らしさも無いし、歌も楽器もそれほど上手くない。



どれが私の『個性』なんだろう。



「おーいA！そろそろ練習再開しよう！」



いつの間にか皆は楽器の調律をしたりしていた。



「わかった！今行くね。」



とりあえず、今はこっちに集中だ。

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