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-壱馬 side-
屋上の芝生の上に体育座りになっているAを見つけて、その隣に胡座をかく。
Aは空を見上げながら、ゆっくり俺に話してくれた。
A「私、歌手としてのお母さんは尊敬してたの…
たくさんの人がお母さんの歌に共感して、励まされていたのも知ってるから
ただ、私は自分の力でここまでやってきた…
親の力じゃなくて、私の力でみんなにエンターテインメントを届けたかった…」
壱馬「Aの気持ちはファンに届いとるはずやで」
A「これ見て…」
そう言って渡されたAのスマホは珍しくエゴサーチしたのかTwitterを開いていた。
そして、その画面にはAに対する心無い言葉が幾つもあった。
"AAって二世タレントかよw"
"そりゃ、歌上手いのも当たり前だよね"
"W不倫の娘とかやばすぎ"
勿論、その中にはAを擁護するファンの声もあるのだが、明らかにアンチの声の方が多い。
"TRIBEのメンバーは真白に騙されてる"
その言葉には流石の俺もカチンと来た。
どうしてそんなによく知りもしない相手のことを傷つけられるんだろう。
そんなに鋭い刃物で切りつけられるんだろう。
A「だから言えなかったのに…
言わなかった私は間違ってたのかな」
壱馬「間違ってない、絶対にAは間違ってない」
俺は今にも消えてしまいそうなAを優しく抱きしめた。
壱馬「世界中が敵になっても俺だけはAの側にいるから…
一生いるから…それじゃあかんかな?」
A「そうだね、1人じゃないもんね」
俺の言葉にAの声が少しだけ明るくなったように感じる。
俺の背中にまわるAの手に力が篭もる。
A「お母さんとちゃんと話してみる
ファンの子達にもちゃんと伝えてみる」
壱馬「うん、俺が隣におるよ」
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KK - 昨日、今日で全て読んでしまいました!ついついハマってしまう物語で凄く続きが気になってしまいました。色々と大変かとは思いますが続きの更新楽しみにしてます。 (2021年2月23日 17時) (レス) id: 327e744779 (このIDを非表示/違反報告)
ANAPON(プロフ) - 理香さん» 理香様、ありがとうございます!そのお言葉が励みになります! (2020年12月3日 21時) (レス) id: 764df54ed6 (このIDを非表示/違反報告)
理香(プロフ) - 初めまして!凄く良い話でしたので一気に読んでしまいました。続きが楽しみです。 (2020年12月3日 11時) (レス) id: cc5fb30d6c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ANAPON | 作成日時:2020年11月26日 22時