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《煉獄杏寿郎》第1話 ページ9

Aside

お見合い場に向かう。
足取りは憂鬱そのものだった。
嗚呼、もうすぐ着いてしまう。今すぐ逃げ出したい。しかしそこにいたのは、とても綺麗な黄色い髪と赤い髪の人だった。

「おや、貴方は…」
「これは!!もしや、今回のお相手の葉室家の方々ですか!!」

声が大きい…。

「はい、もしや貴方は」
「紹介が遅れました!!」
「杏寿郎」
「はっ、失礼しました!疲れているのに立ち話は良くありませんでしたね!さあ、こちらです!」

そう言って私に手を差し出した。

「お話は兼ねてより伺っています、Aさん。階段がありますので、よければお手を」
『………はあ……ありがとう、ございます…』

思ったよりも、気が利く人なのかもしれない。

「それでは改めまして、自己紹介を。俺は鬼殺隊にて炎柱をしています、煉獄杏寿郎です!」
『は、葉室…A、です…』
「Aさん、素敵なお名前ですね!」
『ありがとう、ございます…』
「あとは2人で会話を楽しむといいよ。杏寿郎、葉室のお嬢さんを頼んだよ」
「御意!」

こうして、産屋敷様とお父様たちは帰って行った。

『…』
「Aさん」
『は、はい』
「Aさんの事を色々と伺ってもよろしいですか」
『はぃ…』

あれ?声、抑えてくれてる?
手を取られ、縁側に並んで座る。

「Aさんの事を少しでも知りたいのです。あの、お年はお幾つですか?」
『…17です』
「!?!?……17ですか!!」

ビックリしすぎて声が大きい。
私も思わずビックリしてしまった。

『は、はい、そう、です…』
「…ああ、申し訳ない。あまりにも大人びて見えたのでてっきり…同い歳か…もしくは1つ2つは歳上なのかと……俺の方が歳上だったか」

何だろう

「ところでAさんは」

彼は

『…眩しいですね…』
「ん?」
『ぇ、あ、の……すみません、声に出てしまいましたね……あの…』

言葉にしたくても声に出ない。
嗚呼、恥ずかしい。

「ゆっくりで大丈夫ですよ。今日は1日任務はありませんから」
『は、はい』
「なにか甘味があれば、落ち着けそうですか」
『ぇ』
「何がお好きですか」
『あの…、か、かすていらが…』
「いいですね、お持ちしますので少々お待ちを」

殿方に頼んでしまって良かったのだろうか。
なんて焦りながら待っていると、
お盆にかすていらとお茶が2つずつ乗ったのを持ってくる煉獄さん。

「お待たせしました」
『ありがとうございます』
「多少は落ち着けましたか?」

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作者名:あまんだ | 作成日時:2024年1月19日 3時

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