第7話 ページ15
「奥さんについては…」
『っ…』
「ただ、愛している、と…」
『…私もです…、杏寿郎さん……』
竈門さんは必ず杏寿郎さんのような、強い人になると言ってくださった。
彼に、杏寿郎さんの様なものを感じたのだった。
数日後の夜、連絡がくる。
鬼舞辻無惨との最終決戦の為、護衛に来てほしいという連絡だ。
『お義父様』
「行こう、俺も元柱だ」
あの日以降、お義父様はまた鍛錬を始めた。
きっと竈門さんの言葉が響いたのだろう。
その姿には逞しかった。
『行ってらっしゃいませ』
私は千寿郎さんと願う事しか出来ずにいた。
『杏寿郎さん……どうか、皆さんを守ってあげてください……』
そして明け方、戦いが終わった事を鎹鴉さんから聞いて私は腰を抜かす。
「Aさん…!」
『すみません……安堵で……お疲れ様です、皆さん……』
杏寿郎さんにも心の中で呟いた。
杏寿郎さんに会えるまでに、たくさん思い出を作らなければ、だってもう鬼はいないのだから。
そして数年後、私は
『……杏寿郎さん!』
「久しいな、A」
愛しい人の背中に駆け寄った。
『話したいことがたくさんあるんです』
「ああ、ぜひ聞こう。時間はたくさんある」
『はいっ』
完結
7人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あまんだ | 作成日時:2024年1月19日 3時