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第6話 ページ14

Aside

「…っ、兄上が…っ、あ、にうえがぁ……!」

私は走った。杏寿郎さんがそんな、杏寿郎さん…!!

『杏寿郎さん…!』
「ちょっ、アンタ…!」
『通して下さい!私は、鬼殺隊炎柱・煉獄杏寿郎の妻です!』
「おい、そいつを通してやんな」
「音柱様…!ど、どうぞ…」
「よう、煉獄の。こっちだ」

宇隨さんに案内された先にいたのは、杏寿郎さんの亡骸だった。

『あ……っあぁ………っっっ、きょ、じゅろう…さ………っ。ぁぁぁぁぁぁぁあああああ…』

私は泣き崩れた。ひたすら泣いた。
泣いて、泣いて、涙が枯れるまで泣いた。

「…これ、やるよ」

宇隨さんから、あるものを渡された。

『…これ、は……』
「煉獄の懐に入ってた奴だ。お前宛ての土産だろ」
『…っ』

袋を開けると、そこには金平糖が入っていた。

『…杏寿郎さん……』

私はその金平糖の袋を後生大事に抱え、帰った。
家の前では、何か騒がしかった。
そこには

『っ、何しているのですか!!!!』

お義父様が千寿郎さんを叩いているところだった。
私は駆け寄り、その勢いでお義父様を一本背負いする。

「!?」
「Aさん!?」
「えぇ!?!?!?」
『やっていい事と悪いことがあります…!!亡くなったのは、貴方の息子です!!私の夫です!!もっと……もっと、悲しんでください…!!お願いですから、嘘でもいいので、泣いてください……!!でないと、あの人が浮かばれません……!!』

思い出してしまい、私はその場で泣き崩れてしまった。

「え??ええ??お、奥さん、ですか…!?貴女が煉獄さんが話してくれた、美味しいご飯をお作りになる…!」
『あなた、は…』
「あ、はじめまして!俺、竈門炭治郎って言います。煉獄さんとは、今回の任務で一緒になりまして…その……お聞きしたいことと、お伝えしたいことがありまして…」

竈門さんの話してた日の呼吸についての書物は、お義父様が墨で塗りつぶしてしまっていた。

『お義父様…』
「…っ」
『それで、あの…お伝えしたいこと、とは…』
「…煉獄さんのお父さんには」

お義父様と千寿郎さんの話の後、私を見る。

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作者名:あまんだ | 作成日時:2024年1月19日 3時

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