60話 ページ12
「あ、あのっ。放課後委員会があるでしょ…?終わったら一緒に帰れないかな…?」
「今日の放課後?そういえば委員会あったな。いいよ。一緒に帰ろう」
俺がそういうのと同時にチャイムが鳴り、カコは慌てて自分の教室に帰っていった。
ーー
ー
「んー、委員会終わったなー。で、カコ話って?」
「う、うん……それなんだけど…」
カコは顔を赤くし、俯いている。一体どうしたというのだろう……?
「か、カコ?もしかして体調がわる…」
そう言いかけたとき、固まった。頭が真っ白になり、カコのことを気にかけてやる余裕もない。だって……
「あ、え、瑛太。ありがとう」
「……足元には注意しろよ」
そう言って瑛太は想楽を支えている。……分かってる。想楽が転びそうになったから瑛太が支えただけ。それはわかっているのだけど……苦しい。辛い。こうなることならいっそのこと────!
「A君?どうしたの……?」
そう思ったとき、カコの声が聞こえた。俺は慌ててカコを見る。カコは心配そうに俺を見ていた。俺は平然を装いながらカコに話しかける。
「ああ、大丈夫。で、話って?」
俺がそういうと、カコは顔を俯かせ、こう言った。
「……ううん。やっぱり何でもない。ごめんね。A君」
「え……?ああ、うん…」
そう言ってカコは顔を上げ、笑顔を見せた。
ーー
ー
カコside
笑えてたかな……私。先A君が固まった原因が分かったの。それが想楽ちゃんであることも。薄々気付いてはいた。A君が赤面しながら想楽ちゃんの服装とか褒めているし、想楽ちゃんは気付いていなかったけどさりげなく好意を伝えてる、と分かってしまった。
….想楽ちゃんは私より強いし、カッコいい。でも、根は女の子らしいくてそして何より私の大事な親友だから……好きになるのも分かるし私も大好きだ。だから今日で私の初恋は終わりにしよう。
「本当に?」
「え……?」
振り返ると、そこには杏ちゃんがいた。杏ちゃんは笑いながら耳元で囁いた。
「本当は想楽ちゃんのこと恨んでるんでしょ?だってこの前の遠足のとき原因は知らないけど喧嘩してたじゃない。あれは仲直りしてたけど元からあの子カコちゃんのこと見下してたし」
「で、でも…それは」
「解決したからって?あのねー、口だけなら誰でも言えるのよ?」
そう言って杏ちゃんは私の耳元でとんでもない提案をしてきた。
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かんな(プロフ) - あやさん» ありがとうございます!そう言ってくれると嬉しいです! (2020年8月8日 8時) (レス) id: d024afc4b4 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 応援してます!!頑張ってください (2020年8月7日 18時) (レス) id: 41416aa890 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かんな x他1人 | 作成日時:2020年7月4日 11時