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それでも私たちの生活は順調で
毎日が何事もなく幸せに暮らしていた。
相変わらず私の声は出ない。
それなのに、智さんの耳には届いている。
ためにし智さんが着替えている背後から呼んでみた
『智さん？』
ほら、気がつかない
やっぱりね……そう思った。
「A、用がないのに呼ぶな」
そう言って振り向いて笑ってくれた。
背中に目があるのか？と思った
だから、私がキッチンの陰で智さんが見えない場所で呼んでみた。
『智さん、届かなーい！』
さすがに無理だろうと思っていたら
「どれ？上？」
『……あ、うん、鍋』
私より背の高い智さん。
キッチンの上の収納から鍋を取ってくれた。
『なんで、聞こえるの？』
誰に話しかけても聞こえなかったのに
どうして智さんにだけ聞こえるの？
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作者名：sumika
| 作成日時：2018年1月26日 21時
