79 十四「アマンダ!! ここがシンジュクっすよ!!」月夜「(ぶた……ぶたもいいな……陸の生き物もいいよなあ……)」 ページ2
月夜side
「ハァーッハッハ!!! 我は四十物十四!!! 貴殿の名を、」
「紫藤月夜。で? くーこーさんとツバサさんはどこなんだよ」
「ヒッ」
「こら月夜」
ねーさんに小突かれながらも、僕は目の前に居るツバサさんよりも圧倒的に背の高い顔面の情報量の多い男を睨み付けていた。
「四十物十四、そんで天国獄。ふうん、くーこーさんとチーム組んでる人ねぇ……ふーん……」
「で、紫藤九恩、だったか。アンタもあの馬鹿ガキの場所は知らねーのか」
「はい。ツバサさんの担当医の居る病院から、ツバサさんが倒れたことと、空却さんがいなくなってしまった、ということは知らされましたが」
じろじろと弁護士と名乗るおじさんを見ていると、ねーさんがそう淡々と答えていた。
「おい馬鹿ガキって誰のことだオッサン」
「あの腐れ坊主見習いのことだよガキンチョ」
「僕はもう選挙権だってあんだよバーカ!!!」
「えっ」
「えってなんだよ巨人!!!!」
「巨人!?」
十四、と名乗ったソイツは正直言ってかっこいい見た目とはギャップのすごい、かわいいぶたのぬいぐるみを抱き締めて涙目になっていた。
「クソ、まだ病院つかないのか……」
「少し落ち着きなさい」
「ッチ」
完全に八つ当たりだということはわかっている。
だが、今は、許してほしい。
「(やっぱり僕は、いつまでも、弱いままだ)」
ねーさんには僕を許してほしい。
なのに僕は、僕を、許したくない。
「(そういえば)」
思い出す、くーこーさんが僕に言った言葉。
『ちょっと会わせたいやつが居んだよ』
十四の様子を伺う。
そいつはくーこーさんと同じ黒いネイルをしていたり、リングをつけていたり、ピアスを開けていたり。
「(……かっこいい)」
でも
「……う、……あ、アマンダ、大丈夫!! 自分が守るっすよ!!」
まさか、な。
くーこーさんはなんでこんなおどおどしてるやつとチーム組んでるんだろ。
僕はこのとき、十四のことを、ただのイケメンで弱虫な巨人だとしか認識していなかった。
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鮭ぇ - 最初読んでる時はこんな話だと思わなかったんだが、、。くっっそいい話じゃねえーか、、。完結おめです…ガチ泣きしました!いち。から読みますね!もっかい! (2020年12月13日 13時) (レス) id: b29402340d (このIDを非表示/違反報告)
かっちゃん(プロフ) - 無事、完結おめでとうございます。何気に初コメかも知れません!お話とても面白かったです…!死ネタは少し、地雷な部分もあったのですが、最後まで面白く見させてもらいました…お疲れ様でした! (2020年3月14日 15時) (レス) id: 17dcb00d4a (このIDを非表示/違反報告)
Mad Sick* - いち。から見てます!コメ2〜3回目?名前変えたりよくするのでアレですけど。 (2020年2月29日 4時) (レス) id: e54c8d8ca4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫 | 作成日時:2020年2月14日 21時