42月夜「(僕はただ、月夜に光るクラゲのように溶けて消えてしまいたいだけだったんだ)」 ページ42
「おいテメェどこ連れてく気だ」
「んー……決めてない」
「は?」
「ねえ、くーこーさん」
「このまま僕と溶けて消えてみない?」
**
月夜side
-五年前-
中等部1年のときに行われる、ホワイトスクール。うちの学校はお坊っちゃん校だったから、カナダまでわざわざ出向くことになる。
「(死ねなかった、なんで、なんで、なんで、)」
帰国し、空港で疲れたと愚痴を溢しつつも楽しそうで腹の立つクラスメイト共をスルーして、僕が考えていることはただひとつ。
なんで、死ねなかったんだ
僕は、一刻も早く死にたいのに。
理由は簡単。家じゃ監視が厳しくて事を起こせないから。
学校でいじめられてんのなんか、クソどうでもいい。
そんなん自分に自信のないやつが自分を慰めるために才能のある僕に嫉妬してやってると思えば、笑えてくるほどだ。
けど、家は違う。
母さんは居ないし、居んのは仕事ばっかのねーさんとなにやらヤバい仕事をしているらしい、頭のおかしいクソじじいだけ。
ああ、嫌だな。
きっと、あのクソじじいにも、仕事ばっかのねーさんにも怒られんだろうな。
そしてまた更に、死にたくなるんだろうな。
もう、いやだ
「もう、いいや」
苦しみ悶えたっていい、どうせ、少し耐えれば楽になれるんだ。
僕は、川に飛び込んだ。
最後に、一度でいいから、
愛を、知りたかった、な……
43 海月→←41九恩「(我が儘で愚かな私を、どうかお許しください。私はこの先、月夜、真琴さん、そしてあのお二人に生涯を捧げます)」
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ニーナ - 24の 憧れてしまえば、越えられないってハイキュー!の影山の名言ですか?2回めの青葉城西戦の! (2020年9月5日 7時) (レス) id: 661e8c572a (このIDを非表示/違反報告)
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空炭 - 面白いです!この小説が、終わっても、読み続けます!応援してます! (2019年10月19日 15時) (レス) id: 71d761d1e6 (このIDを非表示/違反報告)
空麦 - 面白いです!これからも頑張ってください! (2019年10月2日 2時) (レス) id: c4e2515f38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫 | 作成日時:2019年10月2日 0時