41九恩「(我が儘で愚かな私を、どうかお許しください。私はこの先、月夜、真琴さん、そしてあのお二人に生涯を捧げます)」 ページ41
「少しだけ、言い訳をさせてはくれないでしょうか」
「はい」
「私も、父に放棄された身なのです。その寂しさと、弟のために働かなくてはならない圧から、精神を病んでしまったのです。そんな私を、真琴さんが、救ってくださった」
「父さん、が……。え、待ってください、それは、いつ頃のことですか?」
「Aさんが家を出ていった直後ですね。真琴さんも、寂しがっておりました」
「……」
寂しがっていた?
私を、
あんなに痛めつけておいて?
「……私に、Aさんの気持ちはわかりません」
「っ……」
「そしてそれはきっと、Aさんもです」
「え……?」
「Aさんも、真琴さんのお気持ちをお分かりですか?」
「辛いことをお尋ねしてしまいすみません。しかし、真琴さんは--」
「紫藤」
低い声が、和室に響いた。
父さんだった。
「それは、言わなくていいと言った筈だ」
「……失礼」
「ちゃんと話してよ」
「Aさん……」
じっ、と父さんを見つめる。
今、この場にくうは居ない。
もし、昔みたいに父さんが、私に……。
いや
「私、もう弱うなかけん。強かばい。父さんが思うとーよりずっとね」
私は、ひとりじゃないから。
「……大丈夫だ。元から、ちゃんと話すもりだ。俺のことも、Aの母さんのことも、俺の口から、すべて」
42月夜「(僕はただ、月夜に光るクラゲのように溶けて消えてしまいたいだけだったんだ)」→←40「(私にはくうが居たから、生きてこれた。これから先も。でも、月夜くんは?)」
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ニーナ - 24の 憧れてしまえば、越えられないってハイキュー!の影山の名言ですか?2回めの青葉城西戦の! (2020年9月5日 7時) (レス) id: 661e8c572a (このIDを非表示/違反報告)
Lollipop* - 空却くん可愛い!嫁にしたい(@_@) (2019年10月21日 18時) (レス) id: 9175532e2c (このIDを非表示/違反報告)
空炭 - 面白いです!この小説が、終わっても、読み続けます!応援してます! (2019年10月19日 15時) (レス) id: 71d761d1e6 (このIDを非表示/違反報告)
空麦 - 面白いです!これからも頑張ってください! (2019年10月2日 2時) (レス) id: c4e2515f38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫 | 作成日時:2019年10月2日 0時