35「(私の彼氏は、嫉妬深いけど、その分優しくて愛伝えてくれる。愛してくれる。そんなくうを、私も)」 ページ35
「ごめん……ごめん、ごめんA……」
「なんで……? なんで、くうが謝ると?」
「だって、拙僧、なにも気付かないでしょっちゅうAに怖い思いさせて……っ」
ボロボロ涙を流しながら、くうは私を力強く抱き締めた。
「……よかっさ。くうが居てくれたけん、家ば離れて一緒に暮らせたし、いっぱい、愛してくれた。本当に楽しかったんばい。くうんおかげばい。やけんもう泣きなしゃんな」
「だってえええええ!!!」
他の人の目なんか気にならなかった。
本当のことを話しても、くうは、引くどころか、私を心配してくれた。
胸が熱くなってこっそりお手洗いで泣いたのは、くうにはナイショ。
席に戻って、くうが口を開く。
「で、まさか九州に向かうのって、」
「……うん。父さんに、会う」
「……なんで?」
「会いたがってるって聞いたんよ。私も、会って色々けじめつけたいけん」
「……条件出して良いか」
「何?」
「拙僧も、側に居させろ」
なにかあったとき、すぐ、守ってやれるように。
「……ありがとう。わかった。……A」
「ん?」
そっと、くうは私の頭を引き寄せ、寄りかからせる。
「無理すんな。不安なんだろ」
「……ありがと。でも、大丈夫」
**
「Aのオッサン、イケブクロじゃねぇの?」
「ううん。仕事リタイアして実家ん九州に戻っとーみたい」
「本当に、会っていいんだな?」
「……うん。だって、くうがいるから」
私には、くうがいる。
ちゃんと、側にいる。
「駅着いた……」
地元、長崎のとある駅に、ついに着いた。
「オッサンが迎えに来てくれてんだよな?」
「うん、シルバーの車って言うとった」
「シルバー……あ、」
「あれ、かな」
シルバーのハイブリットカーの横に、男性と、見たことのない女性が立っていた。
36「(久々に会った感想は、何故だかあんまり怖くなかった。少し父さんが嬉しそうだったのと、あとはきっと、くうがずっと手を握っていてくれたから)」→←34空却「ところで何聴いてたんだ?」「ん? 十四くんところん曲ばってん。……ちょ、なんでヘッドフォン取ると!?」
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ニーナ - 24の 憧れてしまえば、越えられないってハイキュー!の影山の名言ですか?2回めの青葉城西戦の! (2020年9月5日 7時) (レス) id: 661e8c572a (このIDを非表示/違反報告)
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空炭 - 面白いです!この小説が、終わっても、読み続けます!応援してます! (2019年10月19日 15時) (レス) id: 71d761d1e6 (このIDを非表示/違反報告)
空麦 - 面白いです!これからも頑張ってください! (2019年10月2日 2時) (レス) id: c4e2515f38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫 | 作成日時:2019年10月2日 0時