9音 従弟2 ページ11
Aが原の家での生活に慣れ始めた頃、学校は夏休み前のテスト期間に入った。
笠松も原も、強豪運動部だけあり毎日のように練習漬けの日々だったが、この期間だけは別。
対してAは前の学校で少し先まで範囲が進んでいたので、あまり勉強を必要としなかった。
そんなAは持て余した時間を音楽活動に当てていた。
(よし、コードと歌詞完成! あとはメロディーとベースとドラム……)
主に、某歌うアンドロイドを使った楽曲制作である。
(ドラム、一哉に録音頼もうかな)
コードとメロディー、ベースを録音し終わり、保存すると部屋を出る。
昨日買ったエクレアを食べようと、冷蔵庫を開けると、あるはずのエクレアが姿を消していた。
思い浮かべられる犯人は1人しかいない。
急いでスマホを取り出す。
ちょっと一哉!!}
私のエクレア食べたでしょ!}
(*`Д´*)ノプンプン}
一哉{気付くの遅いwww
ちゃんと買って帰ってきてね!!}
一哉{金欠(ゝω・´★)
は!?}
おこづかい日昨日じゃん!!}
一哉{スターリン5弦セールだったから買ったった☆
許されない}
てかえ、いつ買った!?}
一哉{今さっきwwww
あれ、部活は?}
一哉{だからテスト期間!!!
一哉{てかこっち来て! エナメルバッグ持ってベースまで背負うの重すぎ
女子に荷物運びさせないでよ……}
しょうがない}
ドラム録音させてくれるならおk}
一哉{なになに、新曲?
そう}
一哉{いいよーん!!
一哉{霧崎から1番近い島◯楽器にいるからねー
そんな連絡を見てスマホをポケットに仕舞うと、Aはパソコンをシャットダウンし着替えはじめた。
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作者名:紫 | 作成日時:2019年3月6日 1時