#25 Newt Scamander ページ28
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湿った空気、どんよりとした雲。
お世辞にも良いとは言えない天気こそ、イギリスらしくて好きだ。
最近は海外に出張することが多く、帰ってくるのは多分一ヶ月ぶりとか。
家族にも連絡したし、彼にも連絡してあるし、大丈夫なはず…。
「ただいま」
久しぶりの我が家は、天気のせいもあり仄暗いようだ。
お気に入りの大きなソファに腰を掛けて、息を吐いた。
はあ、ようやく帰ってきたって感じ。
出先のホテルのソファもベッドも固くて固くて。体が痛くて悲鳴を上げていたにも関わらず帰れなかったから、ほっと一息がつけた。
体全体がソファと一体化してしまうほどに吸い込まれていく。
ひんやりとしていて気持ちがいい。これにマッサージ機能がついていたら尚良いのだけど。
…こんなに沈み込むっけ。
「レパリファージ！」
「わーお。よく気がついたね」
「柔らかすぎ。ただいま」
「おかえり！ 久しぶりのイギリスはどう？」
「アメリカと違って落ち着くわ」
「僕は気が散って仕方ないけどね」
ソファに変身していた恋人にハグをして挨拶をする。
そういえば彼はアメリカ暮らしが長いんだっけ。ふと彼の発言で思い出した。
アメリカは微妙に言葉が通じなくてストレスだったなあ。
「…ふあぁ、疲れた」
「お疲れさま、眠たいの？」
「うん…あんまり寝てなくて」
「それなら夕食作っておくよ、気にせず寝ておいで」
久しぶりに会った恋人は、やはり変わらず優しいままだ。私の留守中部屋のクリーニングも頼んでしまったのに、感動の再会を惜しむ間もなく私を気遣ってくれる。ありがたいのと申し訳ないのが半々な気分だった。
だがニュートの親切を無駄にできるほどの余力は残っておらず、目を細めながらゆっくりと頭を撫でてくれる彼に、せめてものお礼にキスを落とした。
「お礼になる？」
「掃除分くらいはね」
「残りは？」
「んー…、残りはあとで請求するよ。だから今は休んで」
微笑む彼と名残惜しくも分かれて寝室へ向かった。
階段も綺麗だし、シーツもシワ一つない様子。
「…手紙だ」
枕の下にある手紙を拾い上げてこっそり開くと、雑な字で私の名前が書いてあった。
『親愛なるA、僕の1ヶ月分の料理スキルをお楽しみください…』
どうやら彼は最初から私を休ませてくれるつもりだったらしい。
なんだかおかしくて、くすっと笑ってしまった。
やっぱり、彼のいる毎日じゃないと楽しくないみたい。
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[24/02/24]
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さら - ニュートめっちゃきゅんです！！このお話大好きです！！リクエストお願いします！！テセウス書いてほしいです！！ (2月5日 23時) (
レス) id: f9b4a84be1 (このIDを非表示/違反報告)
まどか(プロフ) - 二フラーみたいって口説き方がすごいかわいくてすごかったです！！！更新たくさんされてて嬉しかったです() (2018年12月15日 7時) (レス) id: 28546de821 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - ニュートもう双子もう大好きなんで本当に最高でした！ (2018年12月11日 0時) (レス) id: e9fb8ac079 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あきは | 作者ホームページ：
作成日時：2018年12月4日 18時
