#17 Draco Malfoy ページ18
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ホグワーツに来て三度目の春が来た。
彼女を初めて見つけたのは、今日と同じくらい天気も良くて、木々が華々しく咲き誇った日だった。
寮はハッフルパフ、半純血もしくは穢れた血であると思われる。
アッシュブロンドの髪が彼女の顔を隠すように風になびいていたのがとても印象的だった。
髪を抑えようとして手を離したすきに、抱え持っていたレポート用紙が生き物のようにバラバラに飛び去っていくのを見て、彼女は困ったように、でも大きく口を開けて笑ったのだ。
終いには自らレポートを投げ捨ててそのまま集めることもなく去っていった。
呆然と見つめていた僕の目の前に、踊るように舞うレポートがあったから、僕はそれを手に取った。
そこで初めて彼女の名前を知ったのだ。
「A・スコット…」
それ以来僕は彼女を見かけていない。
時折こうしてこの場所を訪れるけれど、もちろんいるはずもなく。
機会の多そうな夕食時や自習のとき、周りの目を盗んでこっそり探してみるも、なかなか見つからないのだ。
不貞腐れているわけじゃないが、ここまで見つからないと幻だったのかとすら思えてくるほど。
まあ、アッシュブロンドなんて珍しくもない髪色だし、特徴的な長さだったわけでもない。
大笑いしている顔だけ覚えていても普段の彼女を見つけるのには難しいし。
いつしか言い訳ばかり並べて、彼女を探すのを諦めてしまった。
だが名前とそのかすかに記憶した容姿は、頭の片隅から離れないでいたが。
そしてホグワーツへ来て三度目の春、彼女を見つけてから二度目の春がやってきた。
未だに未練がましくこの場所へ戻ってくる僕は女々しいだろうか。
笑われたって良い、ポッターに馬鹿にされたって構わない。
ただあの子をもうひと目見て、そして僕という存在を知ってほしいのだ。
それから告白させてほしい。
血筋なんてバカバカしいと思えるほど、君に心から惹かれていると。
君を知り、君に触れ、君を手に入れたい。
そんな身勝手な欲を抱きながら君に恋い焦がれている僕の胸中をさらけ出したいのだ。
ふと視界の端にアッシュブロンドがよぎった気がして振り向く。
だがそこにいたのは名も知らないグリフィンドールの女だった。
似ても似つかない顔を見て、自分の軽率さに呆れてしまう。
「A…」
名前を呼んでも彼女が現れるわけでもなく。
こうしてまた、春は残酷にも僕の目の前から過ぎ去っていった。
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[22/07/31]
Theme『ミモザと春』
#18 Regulus Black→←#16 Oliver Wood
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さら - ニュートめっちゃきゅんです！！このお話大好きです！！リクエストお願いします！！テセウス書いてほしいです！！ (2月5日 23時) (
レス) id: f9b4a84be1 (このIDを非表示/違反報告)
まどか(プロフ) - 二フラーみたいって口説き方がすごいかわいくてすごかったです！！！更新たくさんされてて嬉しかったです() (2018年12月15日 7時) (レス) id: 28546de821 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - ニュートもう双子もう大好きなんで本当に最高でした！ (2018年12月11日 0時) (レス) id: e9fb8ac079 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あきは | 作者ホームページ：
作成日時：2018年12月4日 18時
