【完結】愛しき実験ハムスター〈２〉【名探偵コナン】

愛してください７７ ページ34

灰原side




《サリトスは生きてる。》


パーティーの帰り、彼は確かにそう言った。

いくら彼の言葉でも、それだけは信じられない。


指紋が組織のパソコンに残っていたデータと一致したのは知っている。

それでも、それはあり得ないことなのだ。



遺体の指紋も本人のものと一致しているし、遺体は確認済み。

それに確認したのはライだけじゃない。

近くにいた幹部が数人で確認している。

生きているはずがないのだ。



可能性があるとすれば、サリトスの意思を継ぐ存在がいるかもしれないということ。



だかサリトスには助手も部下もいなかった。

いたのは彼とペアになったライだけ。

弟がいたという情報もない。



考えれば考えるほど迷宮入りしていく。



灰原「．．．誰であろうと、Aは守る。」


組織でみつけた穢れなきハムスター。


Aが安室とかいう男を好きなのは気にくわないが、迎えが来たときの嬉しそうな表情が見られなくなるのは嫌だ。

無理に離してしまうのも抵抗がある。


灰原「それだけ大切なものが、まだ残っていてくれたのね。」


組織を抜けてから、大切なものが増えた。

あたたかくて優しいそれは、組織に怯える私を救ってくれた。


だから．．．


博士「新一は楽しんどるかのぉ。」

灰原「さぁ、ここにあの子がいればなんて考えてるんじゃない？」


だから、お願い。

Aから離れないであげて。


貴方にお願いするのはしゃくだけど、貴方にしか出来ないから。

ゲージから出してくれた貴方なら、Aに感情を教えてあげられる。



Aの感情は安定しているようでしていない。

しているように見せるのだ。

内心は不安なくせに、それを上手く隠す。

しかも隠していることを自覚していない。


でも、貴方のそばでは安定しているように見える。


あくまで私は実家のポジション。

ちゃんとした家庭を築けるのは貴方とだけなのよ。


ま、今はまだ許さないけどね。


灰原「博士、工藤君のバックと一緒に置いといて。」

博士「は、はは．．．哀君は過保護じゃな。」



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コナンside




ん？

紙が入ってる．．．


取り出して苦笑する。


赤井「ほぉ、彼女は心配性なのだな。」

コナン「A限定でね。」




《手を出したら薬品で溶かすから。》

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