【完結】愛しき実験ハムスター〈２〉【名探偵コナン】

愛してください７８ ページ35

コナンside




一晩かけて考えた成果は、サリトスはＢｅｌｌｅ一家の一人息子ということだけだった。

考えるにしても、キーワードが少なすぎる。


沖矢「取り敢えず、身の回りには気を付けましょう。」

コナン「うん。」


Aは安室さんが守ってくれるし、安心していいだろう。

問題なのはサリトスの狙いがわからないということ。

予防の仕様がない。



着替えながら悩んでいると、ドアがノックされた。

開けると、笑顔のAと安室さんが立っていた。


『おはよう！ご飯食べに行こう！』

安室「もう少し待ちましょうか？」


沖矢「いえ、こちらも準備は出来ています。」

コナン「おはよう、行きながら今日の予定を話すね。」



今日はAと安室さんを連れて遊園地に行くつもりだ。

空を見たことのなかったAに、観覧車からの景色と空に近づく感覚を見せる。



案の定Aは「ゆうえんち？」と聞き返してきた。

言葉は知っていても、どんなことかは知らない模様。


コナン「楽しいところだよ、ほら、本にも出てきただろ？」

『うん、沢山遊べるのは知ってるよ！』


表情と言い回しに幼さが出ている。

本当なら、ちゃんと体験してるはずだったのにな。


俺たちはAが誘拐されたのだと予想している。

データはサリトスが消したのではないかとまでは考えたが、動機がわからなかった。


『遊園地．．．！』

コナン「たくさん案内してやるからな。」

『うん！』


目に見えてはしゃぐAの頭を撫でる。


もうお前は俺の妹なんだからな。

たくさん思い出つくらせてやるよ。





*




*




『凄い！空が近づいてる！観覧車って高いんだね！』


瞳を輝かせるAは、窓の外に釘付けだ。

ジェットコースターやメリーゴーランドなど、時間のあるかぎりAを連れて回った。

絶叫系はいけるらしい。


『ねぇ、あれ．．．』

コナン「？！」



Aが指差した先には、赤々と燃える家があった。

観覧車から降りて現場に向かう。


男の子「っう．．うぇぇぇん＿＿＿！」

警察「ほら、もう大丈夫だよ。」


男性「誰も怪我せずにすんだみたいだな。」

男性「不幸中の幸いですね。」



男の子「さ、サリ、トスが、待っててねって出掛けたきり帰ってこないぃ＿＿！」

「「「？！」」」


思わず目を見開いた。


サリトス？！

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