【殺戮の天使】呪われた体と私を縛る約束 2

B2 四つの絵 2 レイside ページ20

私はその絵にどうしようもない不快感を


覚えたがこれまでと同じように絵を破いた


すると破かれた絵の隙間から今度は


子羊が書かれた紙が1枚出てきた


それを取ると今度は切り裂いた隙間から


猟銃の先が私に向いていた


避けないと…私はハッとして床に身を伏せた


バンっと頭上で銃声が鳴り響いた


(レイ)
「危なかった…あんな銃弾

ビンが割れてしまう…」


急いでここからでなきゃ


2人が死んだら困る…


私は立ち上がって最後の絵の前に立った


でもその絵は何もない黒いだけの絵だった


いったいどうすればいいんだろう…


オスの羊 メスの羊 子羊…


カードを見つめると気がついたことがあった


家族… 3枚の絵は並べると家族のように見えた


私は3枚を黒い紙の中に重ねようとすると


3枚とも黒い紙の中へ溶けていくように


吸い込まれると額縁の中に


羊の家族の絵が浮き出てきた


(レイ)
「絵は完成したけど何も起こらない…」


確か再び完成させそこから流れ出た


罪を受け止めろって書いてあった


つまりこの絵を傷つければいいの…


私は羊の家族の絵を切り裂いたすると


絵からは赤い液体が溢れ出てきた


絵の中の羊の家族を傷つけた


でもそれはこの空間から抜け出すためで


好きでしたことではない


薬を探してザックとAの元に帰ること


だけが私の全うすべきただひとつの使命…


(レイ)
「この液体ならビンにはいりそう…」


私はおもむろにその液体をビンに入れた


すると空間は再び紫色の煙に


呑まれて行った


その不穏な匂いに襲われるように


ふっと気を失った


目が覚めると再び懺悔室へと戻っていた


(レイ)
「今のはなんだったの？

このビンには液体をいれたけど

これでどうなるんだろう…」


わからない…それに薬にもならない


部屋を見回すと大きな扉があった


さっきまでここにはこんなもの無かったはず


でもいい…これでやっと出られる


考える時間がもったいない


私はドアを開けその向こうへと


誘われるように歩いていった


その扉の向こうはまるで影に埋め尽くされた


ような暗く暗い世界だった


(レイ)
「暗い…薬を探すのも

進むのも大変そう…

それにここも甘いにおいがする」


なんだろう…この匂い


甘いけど生臭いようなまた頭が


ぼーっとし来た道を振り返ると


(レイ)
「扉がない…」


しかし扉はその姿を消していた

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