【殺戮の天使】呪われた体と私を縛る約束 2

B2 目覚め レイside ページ13

私はAに頼まれたように


少しだけど止血をしたあとに


強く祈りながら、私は包帯の裏に


隠され閉じられているザックの目蓋を


じっと見つめていた


(ザック)
「……ッ」


するとレイの願いが届いたかのように


薄らと目が開き苦しげにザックの顔が


歪んだ


(レイ)
「ザック、よかった…！」


そのわずかな仕草に私は思わず声を張った


(ザック)
「…あぁ？着いたのか…

それにレイお前Aはどうした」


(レイ)
「うん、B2に着いたよでも…

Aがザックをここに運んだあと

倒れちゃったの…」


(ザック)
「あぁ？Aはきっとすぐ目を覚ます…

だからおい、じゃあ先に行くぞ」


自分の身体がどうなっているのかどなど関係


ないザックは即座に立ち上がろうとする


私ははザックの灰色のパーカの袖をぎゅっと


掴んだ


私は傷口を確認しないまま


生意気に子供のように言い放つザックに


私は顔をしかめる


お腹をAに刺されて切り裂かれたのに


平気なわけないそれにザックはAの


ことが好きなはずなのになんで置いてくの


Aは死んじゃいそうなのに…


(レイ)
「ダメだよ！まだAに貰った包帯で

少し止血したぐらいで

まだ血も完全に止まったわけじゃない！

それにやっぱりAを置いていけない

A…ひどい怪我なの」


(ザック)
「あー…血？こんなもん、どうってことねぇよ

それにAは大丈夫だ約束だからな…」


わからない…約束Aは少し傷の治りが


早いだけじゃないの…？


(レイ)
「ダメ、傷だって閉じてない

傷口が開いたら危ないよ

それにやっぱりAを置いていけない

ザックはAが心配じゃないの！」


私は今までにない憂いをおびた面持ちで


ザックの顔をじっと見つめたするとザックは


怪我をしているのに関わらずいつもの


威勢を放つ声で少し怒ったようにそして


困ったように言った


(ザック)
「はぁ？レイお前なに変な顔してんだ…

それによぉ お前は俺とあいつの

何を知ってるんだよ

Aはなぁいつも俺の変わりに

刺されたり撃たれたりして

俺の腕の中で冷たくなるんだよ

守ってやりてぇのに

でもあいつは俺に約束したんだ

1人にしねぇって

けどなぁ毎回目覚めるとはかぎらねぇだろ？

なにかしてねぇと動いてねぇと

どうにかなっちまいそうなんだよ！」

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