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B2 過去2 ザックside ページ2

ひどい雨が降り続いていた


夫婦を殺したあと俺とAは郊外にある


施設から飛び出し、街に向かってその


雨のなかを歩いた


ひたすら歩けば街に着くかと思った


でも、もし街に行ってどうする?


行くあてなんてない


ろくに食べていないせいで、激しい雨は


容赦なく俺達の体力を奪っていく


でもAは俺の手をつかんで静かに


歩いているその手の温もりとあの女を刺した時


から感じてる得体の知れないの高揚感が


まるで骸骨みたいにやせ細った俺の体を


動かしていた


すると歩いてる途中で、1台の赤い車が


傍に止まった 車の中からは


ハイヒールを履いた、化粧気の強い


背の高い女が出てきた


それを見るとAは俺の手を離して


後ろに下がった


(背の高い女)
「ねぇ、どうしたの?」


こんな雨の中、子供2人が暗い夜道を歩いて


いたので気になったんだろう


しかし女は、近くで俺とAを見ると


ひゃっと小さな悲鳴をあげた


まぁ無理もない 返り血で汚れた服に


俺のほどけかけた包帯の下には爛れた火傷の


あとが生々しくのこってるしAの顔にも


同じものがある


そして手には夫婦の血にまみれた包丁を


二人とも持っていた


(背の高い女)
「は、はやく、お家に帰った方がいいわよ」


早口にいいながら女の顔は恐怖に染まっていた


(A)
「その目…嫌い」


(ザック)
「帰る家なんて、ねぇんだよ……」


そうぽつりと答えた瞬間、俺は刃物を向けた


確かにこの女の目はきにくわない


それにあの高揚感を、もう一度味わいたかった


女は、即座に俺に背を向けると、車の中に


逃げようとした その時風をきって


女の背中に包丁が刺さった


Aが投げた包丁だった


(背の高い女)
「キャーーー!!」


あの映画の中の殺人鬼と同じように


包丁をふりおろし、背中を思い切り


斬りつけたその瞬間、女は甲高い悲鳴をあげた


でもその声はすぐに激しい雨に掻き消された


それから何度も切りつけた


(A)
「ザック…もうその人死んだよ」


あいつの声で俺は少し落ち着くと


あの女はあっけなく息絶えていた


(A)
「車の中に入ろ… この中なら雨にあたらない

それに少し休憩しよ

それにザックの包帯巻き直すよ」


(ザック)
「おー そうだな」


俺達はそう言うと車の傍らに


白目をむいている女の死体を放置して


車にのりこんだ

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名無し(プロフ) - っっっ‥‥‥‥【ナナシ ハ セン ノ ダメージ ヲ オッタ】好きです!!!これからも更新頑張ってください!!!😭 (3月26日 17時) (レス) @page46 id: 9f491c41ca (このIDを非表示/違反報告)
さつてんと舞台最高! - 泣きたい,,,皆様が書く殺戮の天使の小説は神すぎて泣いて笑ってハハハハハですよ!もう神✨頑張ってください😭 (6月5日 22時) (レス) @page46 id: 8b47d12e98 (このIDを非表示/違反報告)
RENKA - ザック可愛すぎだろ… (2021年10月12日 0時) (レス) @page46 id: b5b9f86a00 (このIDを非表示/違反報告)
弥生(プロフ) - 更新停止中…だと… (2021年1月1日 1時) (レス) id: e66444f48b (このIDを非表示/違反報告)
餡子 - とてもおもしろかったです続き楽しみにしてます!!!!! (2019年1月20日 20時) (レス) id: bceaa8cd15 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ティアナ | 作成日時:2018年9月8日 0時

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