異世界の彼らとリアルな私の食事情 (ページ26)

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品番26 ページ26

ゾムside

ロボロが開げた入れ物の中から食い物の匂いが部屋中にたちこめる…ここ何週間かまともな食事すらとれてない俺らにとっては待ちわびた食事やった。
中身を見ればみなれない不透明な物体と、大きめな箱…？に入った水っぽい粥と、食欲を掻き立てられる肉の焼いた香りが鼻に抜けていく…
喉がごくりと音をたてた、皆それに手を伸ばしていくがその前に大先生が不透明のそれとスプーンを手に取りシャオさんに持っていく。
どうもあれはシャオさん用やったみたいやな…。

すると皆手を止めそっちをじっと見つめる。

鬱「シャオちゃん…ゆっくりでエエから…口開けて…？」

シ「…ぁ…」
震える唇をゆっくりと持ち上げれば大先生が少量掬ったそれをシャオさんの口に入れる。
それに気づけば口を閉じゆっくりと咀嚼を数度し、ごくりと呑み込んだ…。

シ「…ｯ…」
ボロボロと涙を流すシャオさんに俺らはぎょっとしてまう、喉をならし、体を震わせる彼に困惑を隠せないでいるとシャオさんがゆっくりと視線をあげた。

シ「う、…まいなぁ…あまい…」
何時ぶりだろうか、こんな安心したような笑みをシャオさんから見れたのは…
ぼんやりと眺めている間にもう一口、もう一口…と口の中に消えていく、もともと少食なシャオさんはそれでお腹がはったようでこくりこくりと頭を揺らしてはそのままシッマに凭れかかったまま寝てしまったようや…大先生が軽くシャオさんの頭を撫でてはへらりと笑った。

ト「…寝た、みたいやな」

「そやな…」
少ない言葉が交わされていればロボロの声が部屋に響く

ロ「やから！食わんと冷えるいいよるやろ！」

大きすぎず、小さすぎず、しかしよく通る声は皆にしっかりと聞こえたようでまた俺らは食い物に目を向ける、どうもロボロがこの間に取り分け皿を持ってきたようで五等分に…といっても一つの皿は少しだけよそってあったが…大方シャオさんが起きたとき用やろう。
それを俺らの前にグイッと持っていくスプーンとフォークを無理矢理に持たせられれば「はよ！」と催促されれば俺は粥を少し掬い、口に放り込んだ。