異世界の彼らとリアルな私の食事情 (ページ17)

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品番17 ページ17

鬱先生side

『なぁ…鬱先生…？』

「な、なんやの図星やからってそんな乱暴にせんでもええやないか…？ああ、それとも」

『じゃかしいねん一回黙らんかい』

「え」
ロ「え」
僕とロボロの声が重なる。
彼女が発した言葉に驚いたからだ。
とても癖なあるその口調は僕らのと似ていた。

『なぁ鬱先生…？』

「な、なに？」
声が上擦り喉がひくついていき声が震える。
お仕事がら殺気や怒りを向けられる事はよくあることや。
その僕が何を恐れている…？何を怖がっとるんや…？わからへん、わからへんわからへんわからへんわからへんわからへ…

『なあ鬱先生、あんたは今さっき食べたもんどう思う？』

「へぁ…？ど、どうって…旨かったけど…」

『そうか、それは私がなロボロ君やあんたに美味しいって食べてほしかったから頑張って作ったんやで？』

「え、何を」

『なぁ鬱先生、あんたは何でこのご飯を食べることになったんや？経緯は？』

「え、あ、ロボロが、俺の体調直るかも、って、連れてきてくれた…」

『…なぁ鬱先生…それをふまえてあんた…私に…何てゆうたよ…？』

「や、やって…そっ、それしか…ない、やろ…見返りの無い物なんか…ただの偽善者や…僕はそんなん…っ」

『いや別にあんたのどうこう言ってるんとちゃうんよ…あんたのそのちんけな脳ミソと言動のお陰でこちとら怒っとるのわかっとるんか！！』

大きな声で叫ばれた。
体がﾋﾞｸﾘとはねあがる。
僕はチラリと彼女を見上げる、彼女が僕に向ける目は嫌悪感で満ち溢れていた。
彼女は止まらない。

『あんたみたいなクズの為になぁ！ロボロ君は頭下げたんやで！？助けてやってくれって！私に頼んできたんやで！やのに何やのそれ！！私に対してなに思うのも構わへんよ！でもな！ロボロ君は…っ…あんたの仲間や…ｯろ…？
なら！そいつが信じようとしたやつのこと位信じようとしろよ！！』

ボロボロこぼれ落ちる滴が僕の顔に降りかかる。

『そりゃさぁ…！鬱先生にも色々あったんやとおもうけどなぁ…！それでもさぁ…信じてぇよ…ｯ…私は今までのあんたの回りに居た奴とは違うんやって…信じてぇやぁ…ｯ…』

ロ「A…」

彼女の言葉が胸に突き刺さる。
僕は無意識に彼女の涙を拭きながら問う。

「信じても…ええの…？」
『あたり…前や…！』

彼女なら信じてええのかな…？

彼女なら、僕を見棄てないでくれるんかな…？

…Aちゃんなら僕の体だけやなく心も温めてくれるんかな…？