佰拾捌 ページ18
黒死牟side
襖の向こうから、楽しそうな声が聞こえてくる。
これが罰なのだと瞬時に理解した。
近付き過ぎたのだ。私は。
彼女の瞳には私が映っていない事は確かなはずなのに。
分かっているのに。
グッと拳を握り締めても何もならない。
ただ、痛かった。何処も斬られてはいないのに。
ただただ痛かった。
スパンと勢いよく襖が開いて、倒れ込んできた。
「あ！黒死牟さんだ！こんばんは！」
「…A、その姿は」
「わぁぁ！だめだめ！！」
乱れた浴衣。帯が無く、前がはだけている。
急いで隠すAがまたなんとも愛らし＿＿
「黒死牟」
名を呼ばれ顔を上げると、あのお方は怒っていた。
「A、逃げ出すのはルール違反だ」
「む、無惨さん…」
軽々とAはあのお方に持ち上げられ、襖がまた閉まった。
楽しそうな声がまた聞こえてくる。
そして、また考える。
これが罰なのだと。
＊＊＊
「…ん」
ゆっくり目を開けると、もう無惨さんはいなかった。
昨日の夜は沢山無惨さんと遊んだ。
鬼ごっこして、けん玉して、双六、高い高い！
なぜか、双六とけん玉は勝負をして負けたら身に付けている服を一枚脱ぐという謎のルールがあったけど、それ以外は楽しかった。
とりあえず着物に袴を合わせて着る。
これが今流行っているらしい。
「よし、完成！」
襖を開けると
「黒死牟さん！？昨日からずっとそこに？」
「…A…昨日は……あのお方と…何をしていた？」
長い睫毛から見える黒死牟さんの瞳。
「遊んだの！鬼ごっこして、けん玉でしょう？あとは…」
言っている途中で抱きしめられる。
「えぇ！？黒死牟さん！？」
「……私は…Aが…好きだ」
優しい声が耳元で聞こえてくる。
「…Aがあのお方といる…その襖の向こうで楽しそうに笑うのを聞くと…胸が引きちぎれるように痛い」
「…黒死牟さん」
「A…」
困ったような、悲しそうな顔をする黒死牟さん。
頭を撫でて励ましてあげたいけれど……
「私は無惨さんが一番好きで…黒死牟さんの気持ちは…」
どう伝えればいいのだろうか。
胸が引きちぎれるように痛い、それは私も無惨さん関係で感じた事のある痛みで、黒死牟さんの気持ちはよく分かる。分かるからこそ、一番傷付けない方法を使いたい。
「…嬉しいけど、応えられないんだ。ごめんなさい」
「…分かっている…」
その声があまりにも切なくて、罪悪感が胸に広がった。
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丸(プロフ) - へなさん» へな様…！今更だなんて！そんなそんな！素敵すぎるというお優しいお言葉…！拙い文にも関わらずそう言っていただけて本当に胸いっぱいです(*´-`*)長い物語でしたが、最後まで読んでいただきありがとうございました！ (3月25日 1時) (
レス) id: fe9b371b01 (このIDを非表示/違反報告)
へな - 今更ですが素敵すぎました！ (3月24日 8時) (レス) @page50 id: 6adab414b4 (このIDを非表示/違反報告)
丸(プロフ) - ふわるさん» ふわる様、返信が遅くなってしまい申し訳ございません…！！そう言っていただけて光栄です〜！！(；▽；)そんなに褒めていただけてもう心中、喜びパラダイス状態です！！私も素敵な読者さまからコメントしていただけて幸せです〜！！ありがとうございます！！ (8月26日 14時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
ふわる(プロフ) - 面白かったです！泣きました笑！なんでこんな良い作品が思いつくんですか！！！この作品に出会えてよかったです！ (8月24日 1時) (レス) @page50 id: ca3f3ad930 (このIDを非表示/違反報告)
古猫丸(プロフ) - あやめさん» あやめ様！そんなに褒めてくださるなんて…！ありがとうございます〜！！m(_ _)m無惨様をさらに好きになるきっかけを作る事ができて感無量です｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡あやめ様の褒め褒め言葉に私はHPが急激に回復いたしました！！素敵なコメントありがとうございました！！ (2021年2月3日 19時) (レス) id: c92cfbb025 (このIDを非表示/違反報告)
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