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玖拾参 ページ43

「A」


そう呼ばれた時急に心が舞い上がる。


「無惨さんが帰ってきたっ!」

黒死牟さんと双六という物をしていたが、無惨さんの声が聞こえた瞬間どうでも良くなる。

「無惨さんっ!無惨さんっ!」


走って勢いよく腕を広げる無惨さんに抱きつく。




「お帰りなさいっ。無惨さんっ!」

「ただいま。良い子にしていたか?」

「はい!」


そう言うと無惨さんは目を細めて、おや?と呟く。


「この黒いリボン、付けたのか?」

「はいっ!他の鬼さんもみんなリボン付けてます!お揃いなんです!」

無惨さんは他の鬼さん達を見た後、私の方を見て微笑んだ。



「本当だ。お揃いなのだな。」

「はいっ。」

「私は仲間外れなのか?」


無惨さんは眉を下げる。


「無惨さんもお揃いですっ。」

そう言って白いリボンを見せると、無惨さんは目を細めて私を抱き上げた。


「ここら辺ですかね…」

丁寧に髪をリボンで縛る。



「リボンを付けたAはいつもの倍可愛らしい。」

リボンを結び終えた手を握られる。


「…ありがとうございますっ…」

ボワっと熱くなる頬を見られまいと急いで顔をそらす。



「A。」


優しくて熱を帯びた声が耳元で囁かれる。


「っ…?」

他の鬼さん達の前なのに。
心臓がバクバクと音を立て、無惨さんしか見れなくなる。


「Aは誰を一番愛してるのかな?」


無惨さんは急にそんな事を聞いてくる。
答えは決まっている。


「無惨さんっ!」

直ぐに答えると無惨さんは満足そうに目を細めて私の頭を撫でた。


「私も一番Aを愛しているよ。」

「えへへ…ありがとうございます!」

「部屋に戻ろうか。金魚、以前より一回り大きくなったな。」

「そうなんです!玉壺さんがくれた餌がとっても良いみたいで。」


言った後、ハッと気づいて私は無惨さんから降りる。


「今日は私の我儘に付き合ってくれて、本当にありがとうございました!」

鬼さん達に頭を下げた後、手を振る。


「また遊ぼっ!…黒死牟さん、双六の続きはまた今度しよっ!次は絶対に勝つ!」

「…私は負けない。」


「A。そろそろ行くぞ。」

無惨さんに持ち上げられ、私は返事をした。


黒死牟さんは双六も強くて、何でも強いんだなって痛感した一日だった。



***



「A。」


だんだん眠くなって瞼が閉じてくる。

「お前は…本当に…」

無惨さんの言葉の続きが気になる。



「__」


私は眠気に負け、眠りに落ちていった。

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秋栄 - 李由華さん» おぉぉぉ!ありがとうございます!!続編は明日の0時ぐらいには出せればなと思っております!!深夜12時ぐらいにここに来ていただけたら、多分続編行けるはずです!!しっかりと期限までに出来るように努めてまいります!コメントありがとうございました! (2020年5月3日 13時) (レス) id: c61d719ffa (このIDを非表示/違反報告)
李由華 - 続編制作頑張ってください! (2020年5月2日 21時) (レス) id: a39b69135d (このIDを非表示/違反報告)
秋栄 - 鬼小夜千夢さん» アニメOPでも、少ししか映らないのにカッコ良さは際立って…もう無惨様は美しくカッコイイですよね!この作品でそう思っていただけたのなら光栄です! (2020年4月30日 15時) (レス) id: c61d719ffa (このIDを非表示/違反報告)
秋栄 - ひろかさん» 鳴女ちゃん本当に可愛いですよねっ(*´▽`*)私も大好きなんです! (2020年4月30日 15時) (レス) id: c61d719ffa (このIDを非表示/違反報告)
鬼小夜千夢 - 無、無惨様!死にそうなぐらいかっこいいし……あぁもう死にそう(//∇//) (2020年4月29日 17時) (レス) id: 998332dba8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:秋栄 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年3月28日 23時

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