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漆拾玖 ページ29

すると下に急に襖が現れ、
私は落ちた。


「っ!!」



***




ギュッ



と誰かに受け止められる。



「A。」

「…無惨さん。」



無惨さんの姿を目に映した瞬間、胸が熱くなる。



会いたくても、会うことが許されなかった方。



「無惨さんっ……無惨さん…… 」

ギュッと抱きついてずっと名前を呼ぶ。
夢じゃない。夢じゃない。ほんのりと香る甘い匂い。



「好きです…無惨さんが好きです…好きです……大好きなんです……」



無惨さんの胸に顔を押し付けて、ずっとそればかりの私に怒りもせず、優しく頭を撫でてくれる無惨さん。

やはり、無惨さんはどこまでも優しい方であった。
私の父と色んな人を殺しているとどうしても思えない……。



「……A。私も会いたかったよ。」


「っ……無惨さんっ」


涙が出てきて、服を濡らしてはなるまいと顔を離そうとすれば、そんな事気にするなと言われまた顔を付けさせられた。




***



「A、今までどこに行っていたのだ。」


一段落着いて、私は無惨さんに抱きしめられながら聞かれた。



「…気持ち探しです。」
鬼殺隊と言えるはずもなく、思い付いたのは、無惨さんと離れて気づいた事について。

「……気持ち探し…?」

「……童磨さんから借りた本を読んで、無惨さんに抱いている感情は何か。というのを見つける為にあえて無惨さんから離れて探してみました。」

「結果は?」

「…………無惨さんが大好きです……恋愛感情の好きでした……。」


「…そうか。」

無惨さんはそう言って目を細めて私の首元に顔を寄せた。



「鬼殺隊には会って居ないんだな?」

「…はい。」



無惨さんに嘘をつくのはとても心が痛いけど、恩を仇で返すような事は絶対にしてはいけない。


「……あぁ。このような着物、お前には相応しくない。」


帯を緩められ、えっ!?と無惨さんの顔を見る。




「着替え直せ。」



「…あ、あの……え、今…ですか…?」


無惨さんの前で。なのだろうか。



「今すぐにだ。」

私は垂れて落ちそうな帯を押さえて、立ち上がる。



「あそこに着物を用意してある。」


別の襖を指差した無惨さんに安心する。



良かった目の前で着替えじゃなくて。



私は安心して、垂れる帯を押さえ、隣の部屋に向かった。

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秋栄 - 李由華さん» おぉぉぉ!ありがとうございます!!続編は明日の0時ぐらいには出せればなと思っております!!深夜12時ぐらいにここに来ていただけたら、多分続編行けるはずです!!しっかりと期限までに出来るように努めてまいります!コメントありがとうございました! (2020年5月3日 13時) (レス) id: c61d719ffa (このIDを非表示/違反報告)
李由華 - 続編制作頑張ってください! (2020年5月2日 21時) (レス) id: a39b69135d (このIDを非表示/違反報告)
秋栄 - 鬼小夜千夢さん» アニメOPでも、少ししか映らないのにカッコ良さは際立って…もう無惨様は美しくカッコイイですよね!この作品でそう思っていただけたのなら光栄です! (2020年4月30日 15時) (レス) id: c61d719ffa (このIDを非表示/違反報告)
秋栄 - ひろかさん» 鳴女ちゃん本当に可愛いですよねっ(*´▽`*)私も大好きなんです! (2020年4月30日 15時) (レス) id: c61d719ffa (このIDを非表示/違反報告)
鬼小夜千夢 - 無、無惨様!死にそうなぐらいかっこいいし……あぁもう死にそう(//∇//) (2020年4月29日 17時) (レス) id: 998332dba8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:秋栄 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年3月28日 23時

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