漆拾捌 ページ28
「……あ、隠の……すみません。今から少し出かけます。」
「え!?Aさん、それは……!!柱の方がどなたかを付けて…」
「いえいえ!本当にすぐに戻ってきます!団子を……買おうと思っていまして。」
私は隠の方に頭を下げ、歩き出した。
…万世極楽教の信者の方にこの本をサッと返して、サッと帰ろう。
まだ明るい。
太陽が頭の上にあるのだから大丈夫だ。
***
「ふぅ。やっと着いた。」
馬車から降りて、極楽教の門の前に立つ。
万世極楽教は有名で、聞けばすぐに着いた。
「すみません……。」
「あ、あなたは、少し前に首に怪我をされた…!」
「そうです!あの教祖様から借りたこの本を返しに来たのですが……。」
「教祖様の元へ…」
「いえいえ!!あの、私はこの後予定がありまして、すぐにでも行かねばならないのです!!」
「いえいえ!教祖様が貴女様に会われたいようですので!」
グイッと力強く腕を掴まれ嫌な予感がする。
「いや!!本当に!馬車を待たせているので!!」
「いえいえ、馬車なら先程信者の一人が代金を払い、帰らせました。」
「!?」
振り向けば馬車がなく、ゾッとした。
「教祖様がお待ちです。さぁ。さぁ。」
ゾロゾロと信者が現れ、私は強引に中に入れられた。
***
「やぁやぁ!Aちゃん!」
キラキラと虹色の瞳を細めながら童磨さんは笑う。
「随分と服装が変わったねぇ〜?そんな安物の着物着ちゃって。」
「えっと…本を返したくて……期限過ぎてごめんなさい……!」
「いいよ?そんな事気にしてないよ〜?ふふっ。Aちゃんは俺の予想通りちゃんと返しに来た、良かったよ!あの御方、血眼になってAちゃん捜してたからさ。」
「……あの…私、この後団子屋に行こうかなと思っていて……」
「うんうん!それもいいね!だけど、明日でもいいんじゃない?」
「…あは……うん、そう……かも……」
嫌な予感がする。
私はそっと後ずさりをする。
「ん〜?もしかしてAちゃん…
……
……俺から逃げようとしてる?」
「っ……!」
「えー?図星?悲しいなぁ!」
ジリジリと近づく童磨さんが何となく怖い。
「ねぇ…Aちゃん。鬼狩り達と会ってたんでしょ。」
…!
私は急いで襖を開けて走り出す。
朝だからって油断してた。
家の中に入ってしまえばおしまいなのに。
ベンッ!!
琵琶の音がした。
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秋栄 - 李由華さん» おぉぉぉ!ありがとうございます!!続編は明日の0時ぐらいには出せればなと思っております!!深夜12時ぐらいにここに来ていただけたら、多分続編行けるはずです!!しっかりと期限までに出来るように努めてまいります!コメントありがとうございました! (2020年5月3日 13時) (レス) id: c61d719ffa (このIDを非表示/違反報告)
李由華 - 続編制作頑張ってください! (2020年5月2日 21時) (レス) id: a39b69135d (このIDを非表示/違反報告)
秋栄 - 鬼小夜千夢さん» アニメOPでも、少ししか映らないのにカッコ良さは際立って…もう無惨様は美しくカッコイイですよね!この作品でそう思っていただけたのなら光栄です! (2020年4月30日 15時) (レス) id: c61d719ffa (このIDを非表示/違反報告)
秋栄 - ひろかさん» 鳴女ちゃん本当に可愛いですよねっ(*´▽`*)私も大好きなんです! (2020年4月30日 15時) (レス) id: c61d719ffa (このIDを非表示/違反報告)
鬼小夜千夢 - 無、無惨様!死にそうなぐらいかっこいいし……あぁもう死にそう(//∇//) (2020年4月29日 17時) (レス) id: 998332dba8 (このIDを非表示/違反報告)
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