幽霊少女と友情物語 (ページ15)

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番外編「幻の白い鳥」Part.1 ページ15

ー時間は戻って、4月のこと。まだ幽霊と出会う前、少女が耳にした噂を追い求める話ー

中学3年生になったばかりの頃…

女1「ねえ、こんな噂知ってる？」
女2「何？噂って」
女1「この学校の近くに、森あるでしょ？」
女2「あるある」
女1「そこにね…水色のライン入りの幻の白い鳥がいるって！」
「(幻の白い鳥！？)」
女2「えー鳥ー？興味なーい」
女1「だよねー」

放課後。学校付近の森で、鳥を見た者がいないか尋ねることにした。しかし、
「誰もいないじゃん…」
？「おや、誰かと思えばみなみ様」
「ああ、木の葉か」
『木の葉』。森の木に取り憑いている幽霊。
「木の葉、白い鳥見なかった？」
木「白い鳥…白鳥の類ですか？」
「違うの。『幻の白い鳥』。水色のラインが入ってる。」
木「いえ…私は何も。」
「そう…他をあたってみる。ありがとう」
木「私も聞き込みをいたします」
「助かるよ」
そして、木の葉と別れた後も聞き込みを続けた。
「ねえ山の女(ヤマノメ)。この辺で水色のライン入りの綺麗な白い鳥、見なかった？」
山「白鳥とコウノトリは見ましたが…」
「そうよね。ありがとう！！」

？「い…痛い…」
「あ！踏んでた！ゴメン！」
？「全く…おや？それはなんじゃ」
「これ？」
土守りと名乗ったそれは、私の首にかかった妖しく光る紫の石を指していた。
「これね、災いを避ける石なの。こうして、石を通して相手の目を見る。すると、悪しき者は消え去るの。…あれ？」
そこに、土守りは居なかった。
「(悪霊か…)」
再び、鳥探しを始める。一人一人聞いてまわるのは大変なので、叫んだ。
「この森に住む幽霊のみんなーー！」
森全体が反応した気がした。
「水色のライン入りの、綺麗な白い鳥を探してるのー！！もし見つけたら教えて欲しい！！」
気のせいだろうか。森全体が、わかった、任せろと言わんばかりにざわついた。
あれから、雨の日も風の日も雷の日も毎日、森を訪れた。ある時
「あっ木の葉！」
木「みなみ様！？危ないですよ、雨の日にこんなところへ来ては！」
「平気よ。どうせ濡れるだけだし」
木「でも…」
「損したくないの。いつ出会えるか分からないから。たとえ台風の日に出会えたとしてもいい。鳥や花って、天気で姿が変わるの。それを見てみたい。雨に濡れてる姿、強い風にも負けない姿、光に照らされる姿を、いつか！」
木「みなみ様…。分かりました、貴女の熱い思いに負けないよう、頑張ります！」
みなみの鳥探しは続く…