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◯狗巻棘
「お、、かか。」
会いたくなかった。あってしまったらまた。
また僕は。何とも形容しがたい感情が彼の頭の中を廻る。
貴方が不眠症によってできた彼の隈をそっと撫でて。
こんなに夜更かししてたら怒るよ?
にこっと笑って。揺らめいた。
何回も、この世界から消えようと思ったけど、
貴方はそんなことを望んでないって。でも。
駆けだしたら戻らない。誘うのは貴方のその
眩しい笑顔。愛おしいから余計にさ。
帳を降ろしたように真っ暗だった世界が君のおかげで
色づくかもしれない。一筋の光を追い続ける。
◯高専五条
「、、なんでだよ。」
貴方が彼の泣き顔を見て。綺麗な藍だねぇ。
呑気にそう言うから。安堵するけれど。
これは夢、そう。夢。悲しみを漸く覚えたのに。
今度は何を覚えさせる。この世界にお別れを言っても、
失うものは楽しい日常?違う。
言葉では零せないこの思いがわずかな時間で溢れ出た。
もう駄目だ。耳をふさいでも君の声が響く。
●西山桃
「、、馬鹿。」
むす、としてそう言ってくる。貴方がごめんね、、
死に顔不細工だったよね〜というから、彼女は泣いて。
貴方に抱き着く。「違うッ、、違うッってば、、」
お願いだからなかないで。そう言って彼女の涙を指で拭って
貴方はいう。「桃ちゃん、可愛いよ。笑ってて。」
そう言い残して消えた貴方に。彼女は。
胸の中でしまってた思いが貴方のせいで堰を切ったように
溢れる。この世界にもう私の愛したAちゃんはいないんだって。
思い知らされて。眠りたい。
▼みなさん、綺麗な青空と優雅な御茶会はいかがでしたか?
さ、皆様、そろそろお別れを言いましょう。
また廻って巡り合うから、安心して。
眼を閉じて。
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作者名:385 | 作成日時:2021年2月19日 18時