ゴクオーくんの短編集！

エイプリルフールにホントの気持ちを。(ゴクオーくん) ページ34

ゴクオー視点

今日はやけに街を歩く人が多い。

今日はオレっちが1年で一番楽しみな日。

エイプリルフール。

簡単に言えば嘘が本当になって

本当の事が嘘になる日。

だが嘘をついていいのは午前まで。

午後にはネタばらしをする。

まぁ皆知ってるだろうから

騙される人はいないだろうなｧ…

そんなことはどうでもいいんだよな

今はアイツの事しか考えられない。

本当のことが嘘になるってことは

オレっちが言ってることは分かんないだろう

どうせ親友くらいにしか考えてないだろうから

告白するならこういう日に限るな…。

ゴ「……ヒキョウだなｧ…」

面と向かって言えることじゃない…

もしフラれたとしたら生きてけない…

つーかAどこにいるんだよ…

ゴ「どこなんだよ……くっそこのままじゃ午後になっちまう…！」

貴『誰かさがしてんの？』

振り返るとそこには探していた人物がいた

ゴ「お！A」

耳元で好きなやつの声がしたのと
これから告白するっていう気持ちが高まり
いつもより大きく動く心臓を押さえつける

いつも通り出来てるか…？

ゴ「ちょうどお前を探してたんだよ」

貴『何？探しまわってたって事は急ぎの用なんでしょ？』

いや…急ぎの用じゃねェけど。

てかさがしまわってたの見られてたのかよ…

くっそ恥ずかしい…！

ゴ「…今日さ、エイプリルフールだろ？」

貴『嗚呼…そうらしいね。いろんな人に言われたからな。まさか騙そうとしてる？』

騙そうとはしてない…

只、中途ハンパなキモチでは駄目だ……

言うなら全力で。

ゴ「オレっちさ、お前の事好きなんだよね」

言った瞬間少し下を向いた。

沈黙が５分10分ととても長く感じた。

…おいおい…無反応かよ…

貴『…嘘だろ？そんなの騙されねぇよ』

Aは不愉快そうな顔をした。

…そーだよな。やっぱ無理だよな…

エイプリルフールでよかった。

今日じゃなくてもこんな感じだろうな
いや…寧ろ殺してきたりとか。

ゴ「そう思うならそれでいいぜ。じゃ、オレっちの用は済んだから。」

Aに背を向けた瞬間、
かなりぐっときてしまった。
流石にここで涙を流すのは恥ずかしい。

そのときオレっちは少しだけ賭けた。

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