中王区No.1ホステスは壁の外が見てみたいのさ！

８ ページ9

客「ねぇ！ひふみ…聞いてる？」

伊「…ちょちょっと…」






貴「お客様…よかったら…少しの間私にお時間をいただけませんか？」





伊「！？…A…ちゃん？」

客「えぇ〜何この人！こんな人リストにのってたっけ？」

貴「実は僕、このお店で働くの今日がはじめてなんですよ…だから…」


客「？」





貴「はじめての指名…貴方がもらってくれませんか？」



女の子の手をとって、自然にそっと恋人繋ぎ。



長年ホステスをやってきた私の経験から言わせてもらおう…




…これで落ちなかった女の子はいない。





客「やだぁ！ちょーかっこいい！いーよいーよ！指名するーー！」

貴「ありがとうございます。僕のお姫様♪」

『誰だあのイケメン…。』
『あんなスタッフうちにいたか？』
『いや…見たことないぞ…。』

ざわつくフロア。

呆然としている伊弉冉さんに、皆に聞こえないようこっそり耳打ちをする。

貴(今のうちです…はやく…。)

伊(…えっ？)

貴(これ！スーツ…はやく下着とかも着がえてきてください…このお客さんは私に任せて。)

伊(う…うん…)

伊弉冉さんは戸惑いながらも、言われるままにスーツを抱えて着替えに向かった。

9→←７

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す