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横浜を巡り、中華料理屋で美味しいご飯を食べる。
私の色仕掛けにピクリともせず煙草の煙をふきかけてきた左馬刻さんに文句を言ったり、ステーキを切るために自前のサバイバルナイフをとりだす毒島さんをとめたりしていると、もう夕方になっていた。
貴「いやぁ…食べ過ぎた。」
碧「お前細ぇのに以外と食うんだな。」
入「さすがに驚きましたよ。」
毒「…たくさん食べるのは良いことだ。美味しそうにたべるA、小官は気に入ったぞ。」
貴「へへへ……でも…もうお別れなんて寂しいですね。」
もうちょっとだけ…なんて考えてしまう私は、やっぱりわがままなのだろうか。
碧「…はぁ?誰がここで終わりなんて言ったよ。」
貴「え?」
毒「まだ行く所がある。」
貴「えっ!?ちょっと!!」
無理矢理腕をつかまれ、入間さんのパトカーに押し込められる。
連れてこられたのは……。
横浜の、とある海岸。
貴「…うっわぁ…」
碧「海、見たことなかったらしいじゃねぇか。」
入「ガキみたいに目を輝かせてましたからね。」
貴「失礼しちゃうな……でも、本当にありがとうございます。」
四人で見る海は、広くて、綺麗で、はじめてのはずなのに、ちょっと懐かしい匂いがした。
貴「この景色…皆にも見せてあげたいなぁ…。」
この気持ちとこの景色は、どうやっても持ち帰れそうにないや。
碧「…。」
貴「生まれた性別や場所が…違うだけなのに…。」
私の呟きは、波の音に静かにすいこまれていった。
夕日が沈むのを、ひたすら眺める。
しばらくして、沈黙をやぶったのは意外にも左馬刻さんだった。
碧「Life is not fair……。」
貴「…なんですかそれ?」
碧「俺が小せぇころから心に刻んでる言葉だ。」
公平なものなど存在しない…か。
碧「人生は平等じゃねぇ。だからこそ、自分の力で立ち向かってかなきゃならねぇんだ。男も女も…壁の外も中も…。どいつもこいつも戦ってんだよ。」
貴「…そうですね。」
私は負けない。
皆も負けない。
戦い続ける限り。
入「…さぁ、満足しましたか?不良娘。そろそろ日がくれますよ。」
貴「むっ…この兎さんめ!口が悪い!!」
左「うるせぇな…ほら、帰んぞ。」
貴「はーい♪」
入「てめぇ…左馬刻にだけなついてんじゃねぇぞ!」
毒「Aは左馬刻がお気に入りなんだな。」
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ひんやりだんご - お餅さん» うぉおおおお!!ありがとうございます!泣いて喜びます! (2019年9月17日 7時) (レス) id: 2d4f9d78c5 (このIDを非表示/違反報告)
お餅 - うぉおおおお!!読んでいて凄いわくわくします!更新応援しています!! (2019年9月16日 19時) (レス) id: fb4e2fef35 (このIDを非表示/違反報告)
ひんやりだんご - 犬田さん» ありがとうございます!誤字脱字多々あるかと思いますが…応援してくれるとありがたいです!! (2019年9月15日 20時) (レス) id: 2d4f9d78c5 (このIDを非表示/違反報告)
犬田(プロフ) - みんなとの絡み方がすごく好きです…!主人公ちゃんの問題を解決する姿がかっこいいです!!!シブヤではどうなるのか凄く楽しみです、更新応援してますね!! (2019年9月15日 10時) (レス) id: 4889f7f66e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひんやりだんご | 作成日時:2019年9月1日 8時