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頑張って早起きし、
1時間早く出勤。
緊急の用事があると伝え、雅と誰もいない個室で二人きりにさせてもらった。
貴「…私、壁の外へ出てみたい。」
まっすぐ雅の目を見つめる。
雅「…いつかは言うと思ってたよ。」
雅は、わざとらしくため息をついた。
貴「新宿に、どんな女の子も虜にしちゃうNo.1ホストがいるんでしょ?」
面白くなさそうに眉をひそめた雅は、少し黙った後ようやく口を開いた。
雅「…伊弉冉一二三か…。
一度会ったことがあるが、なかなかの強者だぞ?…………!!まさか向こうの店の女も男も全員お持ち帰りしようってんじゃ…。」
貴「まっさかぁ!…ただ…この目で見てみたいの。」
額に手を当てて難しい顔をしている雅に、最後の一押しをかける。
貴「ホストもホステスも似たようなもんじゃん。…No.1は二人もいたらいけないんじゃない?」
雅「…」
少しの間考えた雅は、いきなり顔を上げて私の頬をつねった。
貴「いててて!」
雅「このわがまま娘が!あんたね…私が補佐官のこと苦手なの知ってて言ってんでしょうね!!!」
貴「いひゃいでひゅ…」(痛いです…)
そうなのである。
この店は中王区でも奥の方にある。
内閣総理大臣の住んでいる特別な区間にあるため、もう一つの大きな壁で囲まれており、中王区でも特別な人物しか生活ができない。
ここに住んでいる人が壁の外へ出るには大きな門をあける必要があり、その門をあけるには内閣総理大臣補佐官の許可が必要なのだ。
…これがめちゃくちゃめんどくさい。だからこそ頭のいい雅に頼むのが一番の近道だと思ったのだ。
雅「……まぁ、Aの言いたい事は分かる。でもねぇ…。」
貴「そこをなんとかぁ!!」
雅「………しかたないから、今回だけ私がなんとか誤魔化してあげる。」
貴「ほんと!?!?」
雅はスマホを取り出し暫く誰かと通話をすると、最後は凄い勢いでまくしたてて、無理矢理電話をきった。
雅「……許可は出た。期限は一週間。新宿のホストクラブへ接客態度の視察に行くとだけ言ってある。ただし…羽目は外すなよ?向こうの店の迷惑になることは全て禁止だ!」
貴「了解!!」
雅「まったく…私が店長で良かったなぁ?」
貴「あぁもう雅大好きぃぃ!」
雅「そのかわり…。帰ったらいつもの倍働いていもらうからね!」
貴「まっかせなさぁい!」
次の日、私はキャリーケースに荷物をまとめて早朝に家を飛び出した。
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ひんやりだんご - お餅さん» うぉおおおお!!ありがとうございます!泣いて喜びます! (2019年9月17日 7時) (レス) id: 2d4f9d78c5 (このIDを非表示/違反報告)
お餅 - うぉおおおお!!読んでいて凄いわくわくします!更新応援しています!! (2019年9月16日 19時) (レス) id: fb4e2fef35 (このIDを非表示/違反報告)
ひんやりだんご - 犬田さん» ありがとうございます!誤字脱字多々あるかと思いますが…応援してくれるとありがたいです!! (2019年9月15日 20時) (レス) id: 2d4f9d78c5 (このIDを非表示/違反報告)
犬田(プロフ) - みんなとの絡み方がすごく好きです…!主人公ちゃんの問題を解決する姿がかっこいいです!!!シブヤではどうなるのか凄く楽しみです、更新応援してますね!! (2019年9月15日 10時) (レス) id: 4889f7f66e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひんやりだんご | 作成日時:2019年9月1日 8時