中王区No.1ホステスは壁の外が見てみたいのさ！

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広めの公衆トイレで素早く動きやすいTシャツとジーパンに着替え、帽子を深くかぶる。

貴「スーツ…明日クリーニングに出してから返せばいいかな。普段着やっぱり多めに持ってきておいてよかった。」

______



ギリギリ駆け込みで何とか終電に乗車。


…さてと…。


電車内を見渡すと、さすがに終電だけあって乗っている人は少なかった。

ふと目にとまったのは、つり革を持って眠たそうに窓の外をぼーっと見つめている赤髪のサラリーマン。


貴「！！」

本当にいた…。


貴「あのぉ…」

とりあえず声をかけてみた…


でも反応がない。

そーっと近づいてみると、どうやら
独り言をぶつぶつ言っている。

「俺のせい俺のせい…」

マジかこの人…。
独り言大きいな！
　
貴「あの！！すみません！」

「へっ？はっ！え？…あの…俺に何か…」

貴「ひふみの同居人さん…であってますか？」

「えぇそうですけど…」

貴「やっぱり！…ちなみにお名前は…」

観「か…観音坂独歩です…こんな綺麗な人に話しかけられるなんて…明日はきっと槍がふってくるんじゃ
…はっ！！…まさかまた一二三のお客さんが…今度は一緒に住んでいる俺をおとしめようと…」

貴「え！？…ちっ違います！あの…ひふみから何か連絡きてませんか？」

観「連絡？……そういえばさっきメールが…」

おぉ…ガラケーなんだ…。

観「…今夜…泊まる………はっ！！すみません！！すみません！！連絡きてました！Aさんですか？」

貴「そうです！」

観「あいつ…また同居人の俺の許可もとらずに…。」

貴「こっちからお願いしたので…そうですよね…いきなり泊まるなんてやっぱり迷惑でしたよね？」

観「いやいや…あの…全然！！貴方みたいな綺麗な人ならむしろ大歓迎で…ずっと泊まってほしいっていうか…はっ！変なこと言ってすみませんすみません！」

貴「ちょっ！別にそんなに謝らなくても…」

観「全部俺が悪いんです…。俺が俺が俺が…。」

おぉ…強烈なネガティブパンチ…。


よし…ここは一つ…。

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