S.O.KISS【1】 ページ7
*One year ago*
「藤ヶ谷さーん!」
スタッフに呼ばれて立ち止まる
「すみません…まだ一つ前の撮影が押してて…
ちょっと予定よりスタンバイ遅くなります」
藤「あ…そうですか。じゃあ控え室で待ちます」
まぁこの仕事柄こういうことは日常茶飯事、
待つのも慣れたもんだけど。
終わり何時になっかなー
早く帰りてぇ。
今日は俺だけでドラマの番宣を兼ねたバラエティの収録。
やっぱバラエティはちょっと苦手。
俺一人は辛いな。
てか宮田か二階堂、今から助けに来いよ。笑
スマホをいじりながらそんなことばっか考えてる
デビューしてもう2年経って、周りの人や仕事にホント恵まれて、今ってかなり充実してんだろうな、って自分でも思ってる
でも_____
なんだろう
何かが足りない。
藤「あーーーーダメだ。気分変えよ」
突然バッと椅子から立ち上がる俺に
後ろにいたマネージャーが心配そうな声で話しかける。
「藤ヶ谷さん、どうしました?疲れてます?」
藤「あ…いや、大丈夫」
なんか恥ずかしい。照
「あ、そういえばこれ、頼まれてたネックレスです」
俺はマネージャーの差し出す小さい手さげ袋を受け取った。
藤「お。忘れてた、ありがとうございます」
この前のロケでアクセサリー店に行った時
すげー気に入ったのがあってこっそりマネージャーに買っといてもらったやつ。
石とか小振りですげー可愛いの。
一応女性物だけど全然二連とかにして使えそう。
____ていうのは
マネージャーに対してのフェイクで。
本当は渡したい奴がいる
丁寧にラッピングしてある箱を開けながら
その人のことを考える…
___トントンっ
ちょうどその時、楽屋のドアを誰かがノックした___
6人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:えるみぃ | 作成日時:2014年9月7日 3時