Only One…【1】 ページ2
まだ涼しい風に夏草の香りが混ざる頃__
突然何もかもが嫌になって一人いつもの街を抜け出した。
玉「はぁ…」
自然と漏れるため息…
型のない“アイドル”という仕事。
もちろん毎日が充実していないわけじゃない。
いやでもむしろ最近どんどん人気も出てきて
自分でもわかる程に知名度が上がっているとは思う。
でも何だろう…漠然とした不安…
先の見えない未来だけがただただ闇のように
ずっと俺を襲っていた____
玉「…え?ここどこだよ…」
とにかくいろいろなことを考えながら車を走らせていたらいつもなら来ないような場所にたどり着いていた。
車から降りて辺りを見回す___
都会とは思えない広がる林の中に
細く続く狭いあぜ道
昼間の今でさえ冷やっとした空気に包まれたそこは、普段都会の真ん中に居る俺には異空間としか思えない。
玉「あぁ…どっかの学校の図書館か」
入り口のところに大きく看板が建っていた。
どうやら学校の図書館が校舎と別棟になっていてこの林の先にあるらしい。
一瞬踏み込むことをためらった。
だって学校の敷地だし、学生にバレるといろいろ面倒だし。
でもなんとなく…
本当になんとなくだけど…
その奥に行かなきゃ行けないような気がして…
俺は吸い寄せられるみたいに一歩、足を踏み入れた_____
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作者名:えるみぃ | 作成日時:2014年9月7日 3時