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34話 ページ34

「休め馬鹿女ァ」



「反吐撒き散らして失神してないから…」



「お前が体力馬鹿なのはよォく分かったからこれ以上打ち込み台を無駄にすんじゃねェ」






他の隊士全員の相手をし終わったのか、夕暮れに不死川さんがやってきた。





私は朝5時から打ち込み台を壊し続けている。








「休め、」






「でもまだ吐いてな」

「いいつってんだろ!!ンなに吐きてェならお望み通り吐かせてやらァ!!」






_




_






と、いう感じで鳩尾パンチ(柱級)を喰らってまた襖破った。







「これは痛い…」



起き上がるのに時間がかかりそうで、仰向けで天井を仰いでいた。








「休み気になったかィ」



「吐かせようとしたり休ませようとしたり…よく分からない」





コロッと寝返りを打って背を向けた。







「お前は別だァ」



元々技量は申し分ない、と背中をゲシッと蹴られた。


言葉と行動が一致してない。









「…疲れてんだろ」


「いや、よく寝たしまだ大丈夫」


「そうじゃねーよォ」





呆れたように息を吐いた不死川さんは胡座をかいて横に座った。







「冨岡と話したんだろォ」


「みんな気になってんだね」





全員に話すの面倒くさいから伝令した方が良い?と訊けば鼻つままれた。








「…どうしようもないことも、ある」




これが一番強力な自己暗示。







「…もう会いたくない」





これが心の底から溢れた本音。




これ以上嫌われたくない、これ以上酷いこと言いたくない、これ以上傷つきたくない。








「そう思うのも、仕方ねェよなァ」




もう会いたくない、と破れた襖を眺めていれば不死川さんは私の頭を撫でた。







「冨岡が悪ィな」


「だよねぇ」





本当に、何考えてるかわからない。







「辛ェよなァ」


「…………」







私の頭を撫でる不死川さんはまるでその感情を知っているかのようだった。









「お前もまだ、15だもんなァ」







「…なんか、説得力あるね」


「んなもんねぇよォ」







きっと、不死川さんが誰かにしてあげたい事だからだと思う。

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柊蓮(プロフ) - 毎年、誕生日に読んで号泣してます…大好きです。この作品も、同じ作者様の作品も。ついに夢主ちゃんとおんなじ16歳になりました…来年もまた読みに来ますっ素敵な作品を本当にありがとうございます。 (2月9日 1時) (レス) @page50 id: 4d2be51c25 (このIDを非表示/違反報告)
芽依 - ボロ泣きです、、最高です、後日談までもう泣けてくるんですが、、すれ違う兄妹の書き方が神ってますね、素敵な作品を読ませていただきありがとうございました、、! (1月30日 10時) (レス) @page50 id: e9435a06b7 (このIDを非表示/違反報告)
ひよ(プロフ) - 涙止まりませんでした、、、出会えて良かったです、、、 (11月24日 13時) (レス) @page50 id: 477ea6ec3d (このIDを非表示/違反報告)
ピンス - 流石に泣きました。後日談も最高です。神作品ありがとうございます… (11月10日 23時) (レス) @page50 id: 18a9383861 (このIDを非表示/違反報告)
てんごく(プロフ) - めっちゃ泣きました。凄い良いお話です (10月5日 18時) (レス) @page50 id: e622d65d6b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:だむい | 作成日時:2020年7月26日 20時

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