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26話 ページ26

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「最終選別が終わった日、1週間待った…。兄さんが来てくれるって言ったから、何も食べないで、吹雪の中ずっと、ずっと待ってた…!!」








意識がなくなって運ばれるまでずっと待ってた。



手足の感覚がなくなっても、眠たくてもずっと目を開けて兄さんがどこからくるのか見てた、待ってたのに、









「どうして来てくれなかったの!?その後も…手紙も一通もくれないし、それに!!……それに、」




来て欲しかった。









「何か言い訳してよ!!」



無言じゃあ、本当に私を見捨てたみたいじゃない。









「帰れ。」





この一言で、痛いくらい叩きつけられたのに。



私に背を向けて行ってしまう兄さんに、






死んでしまった姉さんと錆兎に縋っている兄さんに、









「これから大きな戦いがあるんでしょ、それなら…鬼が活動を控えてる今くらいっ、私といてよ…!!」







私にはお兄ちゃんだけなのに、





姉さんが鬼に喰われたと言ったら頭がおかしいと病院へ連れていこうとするような親戚の間をたらい回しにされて、信頼できるのはお兄ちゃんたった一人だったのに、









「わたしと…一緒にいてよ……」






あぁ、そうだ。





私を分かってくれるのは、寄り添ってきたのは、いつだって…お兄ちゃんだった(・・・)









「……帰ってくれ」




今はもう違う、あんまりに遅すぎた。






私は、炭治郎達みたいな兄妹には戻れないのかも。









「私も死んだら…っ、悔やんで、想ってくれるの…!?」





もう戻ってこない蔦子姉さんや錆兎に縋って、って、そんなわけないのに。



また、心にもないお兄ちゃんを困らすことを言ってしまった。








「ふざけるな!!」








お兄ちゃんの怒った声に体が怯んだ。



初めて見る心の底から怒った表情、私に向けられた大きな声に、恐怖心からかボロボロと涙が地面を色濃くした。









「うっ…うぅ…ぁ」





弟子の炭治郎には、その妹の禰豆子には命をかけてくれたのに、









「おにいぢゃんの、ばか“ぁ…っ!」





地面にうずくまってわんわんと泣く妹を一度も振り返る事なく、その背中は見えなくなってしまった。





ここから出たいのに、身体中が鉛みたいで動かない、嗚咽しか出てこない。









「A…、もう戻ろう、な?」





肩を支えてくれる人は、兄さんじゃなくて炭治郎だった。





大丈夫だと声をかけてくれるのも、背中をさすってくれるのも、全部炭治郎だった。









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柊蓮(プロフ) - 毎年、誕生日に読んで号泣してます…大好きです。この作品も、同じ作者様の作品も。ついに夢主ちゃんとおんなじ16歳になりました…来年もまた読みに来ますっ素敵な作品を本当にありがとうございます。 (2月9日 1時) (レス) @page50 id: 4d2be51c25 (このIDを非表示/違反報告)
芽依 - ボロ泣きです、、最高です、後日談までもう泣けてくるんですが、、すれ違う兄妹の書き方が神ってますね、素敵な作品を読ませていただきありがとうございました、、! (1月30日 10時) (レス) @page50 id: e9435a06b7 (このIDを非表示/違反報告)
ひよ(プロフ) - 涙止まりませんでした、、、出会えて良かったです、、、 (11月24日 13時) (レス) @page50 id: 477ea6ec3d (このIDを非表示/違反報告)
ピンス - 流石に泣きました。後日談も最高です。神作品ありがとうございます… (11月10日 23時) (レス) @page50 id: 18a9383861 (このIDを非表示/違反報告)
てんごく(プロフ) - めっちゃ泣きました。凄い良いお話です (10月5日 18時) (レス) @page50 id: e622d65d6b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:だむい | 作成日時:2020年7月26日 20時

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