37話 ページ37
「だったらどう説明する。お前がまだ死んでない理由はなんだ?俺の血鎌には猛毒があるのに、いつまで経ってもお前は死なねえじゃねえか。オイ。なぁ!!」
「待って。兄様毒食らってんの?」
「ピンピンしてっけどな!天丼100杯食えるぜ派手にな!!」
「甘露寺さんとは訳が違うんだから」
「うるせぇな虚勢だわ!!」
「自分で言うのかよ」
可愛いかようちの兄。虚勢張っているのね。
確かに脂汗と呼吸の乱れがあるな。大丈夫か兄。
「お兄ちゃん!あいつ、あの女に首を斬られたんだよ!殺してよ!!」
「さっきから余裕ぶっこいてなぁ…生意気だよなぁ」
私に迫る上弦兄の攻撃を避けて、上空に高く飛んだ。
そのままクルッと翻り、背中を蹴って横にしたところで首に刀を当てた。
あんたの毒も攻撃も、大したことないんだよ。
「忍なめんな。」
「忍びなんて江戸の頃には絶えてるでしょ。嘘つくんじゃないわよ!」
「それがいたんだよなー…おっ…危ない。」
上弦妹の帯と、上弦兄の鎌の様なものを振られて最低限の距離を取る。
「忍は実在するぜ。」
死にゆく兄弟の中で、私は生き残った。
一番期待されない女が、平然と父の訓練を熟してしまった。
その所為で難易度はどんどん上がって生き残っていたはずの兄さん姉さんは姿を表さなくなった。
死んだんだ。
「Aはその中での猛者だ。」
攻撃は絶対当たらない。
攻撃は絶対当てる。
それが、私の家で生き抜くための絶対条件だ。
「あぁぁ憎たらしいなぁ…恵まれた環境だったんだろうなぁ…死んでくれねぇかなぁ」
それだけ言われたらまるでただの英才教育だろうか。
別に、自分が悲劇のヒロインだとは思わないけど。
「まぁ、割と恵まれた環境だったかな。あ、現在進行形で。」
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霞(プロフ) - 感動しました、素敵な作品をありがとうございます!!!😭😭😭 (8月8日 22時) (レス) @page49 id: 72e740ca3a (このIDを非表示/違反報告)
きゅうり - 泣く!!!! (2022年3月28日 14時) (レス) id: bfccae0caf (このIDを非表示/違反報告)
ふぐひらめ - はあぁぁ、むい君のやっぱり可愛いってやつで私は成仏しました…… (2022年2月15日 21時) (レス) @page33 id: f76242864c (このIDを非表示/違反報告)
まっひー - 足抜きではなく、足抜けではないですか?間違ってたらごめんなさい! (2021年12月3日 20時) (レス) @page19 id: d24aae8d9d (このIDを非表示/違反報告)
毒猫 - うぅ・・・感動しました!また違う作品で! (2021年9月11日 22時) (レス) id: dc79ac4bfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:だむい | 作成日時:2020年4月7日 22時