34話 ページ34
「何してんの…こんなところで。」
めちゃめちゃ可愛いけどさ。
「宇髄の嫁を探してんだ俺らは！」
「…それなら、鬼に捕まってる」
「は？」
今までの経緯を伝えると、伊之助は意外にも冷静だった。
「だからこんなピリピリしてんのか。」
「ピリピリしてる？」
「おう、らしくねーぜ」
すると伊之助は、私の頭を撫でた。きっと、慣れてないから恐る恐る。
「ホワホワしろ！！」
私を撫でる右手と、行き場がないのか左手はオロオロ空を切っている。
「俺は久々にお前に会えてホワホワしてるからな！俺様のホワホワを分けてやる！」
「…伊之助、ありがとう」
今から戦うって時に、一人ぼっちだと知って不安だった。
良かった、今伊之助に出会えて。
「すごく、ホワホワしてる」
「そーかよ！」
冷静さを取り戻して一旦深呼吸した。
伊之助がいれば大丈夫だ、那田蜘蛛山だってどうにかなったんだから。
「っていうか伊之助はいつから荻元にいるわけ？」
「このまえ」
「わかんない…」
大股に歩いて、足の可動域を広げる。隊服は場所がないからそもそも持ってきていないので部屋にあった浴衣だ。
「新人って伊之助の事だったんだ…、もう少し遊郭体験しとく？」
帯紐に日輪刀を収め、クルッと振り返り伊之助を見た。
「するわけねぇだろ居心地悪ぃ！行くぜ鬼退治…猪突猛進！！」
「良かった」
_
「そういえば伊之すぶあっ…ちょっ、なに…！？」
私は脱ぎ捨てた着物でゴシゴシ顔を擦られて伊之助のことをトンっと押した。
「邪魔だろ！顔面！！」
「いや顔面は邪魔じゃないけど…」
化粧を落とさないようにいつも気を遣っていたが、その必要が無くなって、着物よりずっと体が軽くなって気がする。
「似合わなかった？」
「知らね、でもAはあんなんしねぇだろ」
やる事は一個に絞ったほうがいいぜ、と単細胞伊之助に助言をいただいた。
「そうだね、一つのことに専念しようか」
_
_
(後で俺様が口にツヤツヤ塗ってやるよ！)
(え…、嫌だよ…)
(天ぷら食った後みたいな口になるよな。早く帰って天ぷら食おーぜ！)
(…そうだね、早く帰ろう)
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霞(プロフ) - 感動しました、素敵な作品をありがとうございます！！！😭😭😭 (8月8日 22時) (
レス) @page49 id: 72e740ca3a (このIDを非表示/違反報告)
きゅうり - 泣く！！！！ (2022年3月28日 14時) (レス) id: bfccae0caf (このIDを非表示/違反報告)
ふぐひらめ - はあぁぁ、むい君のやっぱり可愛いってやつで私は成仏しました…… (2022年2月15日 21時) (レス) @page33 id: f76242864c (このIDを非表示/違反報告)
まっひー - 足抜きではなく、足抜けではないですか？間違ってたらごめんなさい！ (2021年12月3日 20時) (レス) @page19 id: d24aae8d9d (このIDを非表示/違反報告)
毒猫 - うぅ・・・感動しました！また違う作品で！ (2021年9月11日 22時) (レス) id: dc79ac4bfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：だむい
| 作成日時：2020年4月7日 22時
