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50話 ページ50

息が詰まるような時間を過ごした。



観覧車は落下、上空では爆弾だか花火だかがあがり、警察はあまりにも遅い到着。








「……はぁ」




私に寄り添うように泣き疲れたのか眠ってしまった子供達を見つめて息を吐いた。




警察の車、私も軽く事情聴取を受けた後に子供達を送り届けるのに同行してるからもうきっと零くんに会えることはないんだろうな。







「ねぇ」


「んー?」





唯一起きたまま外を眺めてるのは哀ちゃん。






「何か、訓練を受けたりしてたの」


「……えっと、」






簡素すぎる質問の意図が汲み取れなくて、少し考えた。










「あんな銃撃の最中、反対側の観覧車に来るなんて普通じゃないわ。」



「そりゃあ、普通のテンションで行ってないよ」





体は震えて、喉元まで何かが出ていた気分。



大人数の前で何か発表がある前のような緊張感に加えて、死ぬんだっていう大したことない人生への絶望感、どうせ死ぬんだからという人生への落胆が原動力になってた。












「特殊訓練は受けたことないし、まぁ免許取得の際に心臓マッサージと人工呼吸教わったくらい」



「……そう」








爆弾を解除する旧友も、ライフル持ってるよく分からない人も、小学生とは思えない男の子も、


あの現場で私だけが普通だった、私だけが浮いてた。









1番私が死に近かった気がする。





「勇敢なのね」



「それは自分でも思うね〜」






警察に深く追及されなかったのは、きっともっと大きい力が働いてるんだろうな。それがなんなのか知ろうとさえ思わないけれど。








「来てくれてありがとう」




哀ちゃんはガラス越しに私を見ながらそう言った。








何か、子供にかけてあげるべき言葉があるのかもしれないけど、生憎そんな語彙は豊富じゃなくて。










ただ少し口角を上げて目を閉じた。





「いいえ」










大人の使命でしょう。











_










_







(にしてもマジで死ぬかと思ったぁ…)


(そうね、)










(君たち行く先でニュースになること起こってるよね、私なら耐えらんないよ…)


(あなたも同じ電車に乗ったようなもの思うけど)


(え?)

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彩豊(プロフ) - 控えめに言って凄く面白いです!まだ登場してないキャラの(もちろん登場済みのキャラも)活躍を楽しみにしています(*^^*)続きを心から待ってます! (2022年10月10日 14時) (レス) @page48 id: 72022c3b56 (このIDを非表示/違反報告)
未悠(プロフ) - 本当だむいさんが作る作品全部好きです。 (2022年6月18日 17時) (レス) id: abbd0293bd (このIDを非表示/違反報告)
ぱんぴー(プロフ) - これ、リメイクしていってるんでしょうか? (2021年5月20日 2時) (レス) id: ddd3529158 (このIDを非表示/違反報告)
さつむいこん(プロフ) - コナン無知の為Googleと首っ引きで読ませて頂きました(6割ニュアンスで読んでます、すいません) ちょうど「むしろ清々しい」読み返してた所だったので運命感じました…。もうずっと推します、占ツク1の推し作者様なんですっ!!無理のない範囲で更新頑張ってください。 (2021年5月3日 6時) (レス) id: 423a130570 (このIDを非表示/違反報告)
白亜(プロフ) - パラグライダーではなくハンググライダーでは無いでしょうか〜 (2020年4月12日 21時) (レス) id: 6d6e512c02 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:だむい | 作成日時:2018年4月15日 21時

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