【名探偵コナン】小学時代の旧友がイケメンになっててシフト被ってる。

27話 ページ27

そんな喧嘩をして、家に帰った。


21時前、断ったくせに待っている自分がいる。








__ピンポーン



だってほら、絶対来るし。








「薄雪さん、安室です。忘れ物していましたよ」


「忘れ物…？」





そう言われて扉を開けたらたしかに安室透が紙袋を持っていた。






「これを届けに来ました」


嘘つけ。









「何これ、んぐっ」


チーズケーキが入っていて、こんなもの忘れていないと突き返そうとすると口を押さえられた。









「いえいえそんな、こんな夜分にお邪魔するわけにはいきませんよ〜」


「ンン“！？」




え、何ズカズカ上がり込んでるの。

上がって良いなんて一言も言ってないじゃない。








文句言いたいのに口を塞がれて何も言えない、腕を掴む腕も強い。





「ちょっ、なに」


「しーっ」




さっきとは違って人差し指を口に添えられ、黙ってしまった。


顔が良いってズルい。






「………」




ほら、何その真剣な表情。


人の家で何考えてんだか。









「安室さん、これありがとうございます。」


「いえいえ、同じ職場で働く者として当然のことです！」






何のことだかさっぱり分からないけどさ。


安室透は机の下を触ったりテレビの裏に顔を覗かせてみたり…何をしているのよ。







「今日も混みましたね〜」


「そうですね、放課後女子高生がたくさん来ましたね」





安室効果ってやつ、と雑談をした。


どうでも良い話に花を咲かせたがっているみたいだから。









「明日は何か予定が？」


「あー、暇だから蘭ちゃんと出かけようかなーってさっき電話してました」








ついでにちょっと恋バナ聞いてね。


21時まで待ったんじゃない、蘭ちゃんと話してたら21時になっちゃっただけだもん。









「どうしてそんなこと聞くの？」




人の家で何してるの本当、帰ってよ。


リビングのコンセントの差し込み口を外して、安室透は目を見開いた。








「薄雪さん、」



「それっ…」







それを覗き込んで私も驚いて後退りした。


足がもつれてソファに沈み込んだ。


声が出ないように両手で必死に押さえつけた。









安室透は振り向いて、いつもと変わらない声のトーンで言った。








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「明日、シフト代わってもらえませんか？」




右手に、盗聴器を持ちながら。

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