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14話 ページ14

「じゃあごめんね!私先に上がる!」


「お疲れ様ー、鍵預かっとくよー」






19時頃、梓さんは速足にポアロを出た。






私は19:30にポアロをしめて、買い出しに行って、



今日中か、明日の朝一かにポアロの冷蔵庫にそれを入れる。




出来れば今日中に終わらせたいけれど。







「…無理そうだなぁ」




全然止まないじゃんよ、と呟いた。


天気予報を信じた私も私なんだけど。







___






_








「この時間は値引きされててお得ね」





ポアロから支給されたお金で買った小袋と、自費で買った大袋を持って歩いていると、






なんだかんだ見慣れてしまった後ろ姿を見つけた。





傘もささずに、手すりに寄りかかって川を眺めている金髪。







「何してんの」




スルーして帰れば良かったものの、彼のシャツはビッショリ濡れていて、長時間雨に当たっていたのを物語っていた。





「…風邪引いちゃいますよ」



そう言って、私が差し出している傘を押し返す安室透。




「あんたがね。」



私はその傘を押し返して、フェイスタオルを彼に被せた。







ずぶ濡れなのと他に、その姿を見て聞きたいことがたくさん溢れて来た。







「なんでそんな傷だらけなの」




腕から伝う血が多い、かすり傷とは思えない。



心配なのか軽蔑なのか、素直じゃない私はぶっきらぼうにそう聞いた。







「…いつからここにいるの。」



今日は朝からずっと雨、見た感じ少し濡れたって話ではなさそう。






「ポアロで雨宿りすれば良かったじゃん。」


すぐそこにあるんだから、








「ねぇ安室透、」


「なんですか?」






何をしてたのか、何か隠しているのか、何か辛いのか、



そんなことを聞いてあげる仲じゃない。








「ご飯食べた?」


「え?」






「ごーはーんー食ーべーたー!?」

「叫ばないでください!!」








_







_





(食べてないです。)



(……はぁ)


(聞いておいてため息やめてくださいよ)

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彩豊(プロフ) - 控えめに言って凄く面白いです!まだ登場してないキャラの(もちろん登場済みのキャラも)活躍を楽しみにしています(*^^*)続きを心から待ってます! (2022年10月10日 14時) (レス) @page48 id: 72022c3b56 (このIDを非表示/違反報告)
未悠(プロフ) - 本当だむいさんが作る作品全部好きです。 (2022年6月18日 17時) (レス) id: abbd0293bd (このIDを非表示/違反報告)
ぱんぴー(プロフ) - これ、リメイクしていってるんでしょうか? (2021年5月20日 2時) (レス) id: ddd3529158 (このIDを非表示/違反報告)
さつむいこん(プロフ) - コナン無知の為Googleと首っ引きで読ませて頂きました(6割ニュアンスで読んでます、すいません) ちょうど「むしろ清々しい」読み返してた所だったので運命感じました…。もうずっと推します、占ツク1の推し作者様なんですっ!!無理のない範囲で更新頑張ってください。 (2021年5月3日 6時) (レス) id: 423a130570 (このIDを非表示/違反報告)
白亜(プロフ) - パラグライダーではなくハンググライダーでは無いでしょうか〜 (2020年4月12日 21時) (レス) id: 6d6e512c02 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:だむい | 作成日時:2018年4月15日 21時

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